梅田:昔よりもどう投資しやすくなっているんですか?
小林:なんといっても、インターネットで株取引ができるなどテクノロジー面で進歩しました。あとは、法整備も進み、投資をする人の税金を優遇するような制度も出てきています。その一例が、「NISA」(ニーサ)、すなわち「少額投資非課税制度」です。
梅田:NISA……名前はよく聞きます。
小林:NISAとは、年間360万円までの投資額について、値上がり益と配当にかかる税金をゼロにするという制度です。NISAを利用するには、銀行や証券会社など、購入したい投資商品を扱っている金融機関でNISA用の口座を開設することになります。この口座で取引すれば、いくら利益が出ても税金はかかりません。国としては、「税金かけないから、株や投資信託を買ってね」ということなんでしょう。
NISA口座に預けている限り、ずっと非課税
梅田:ええと……永遠に非課税?
小林:はい。2024年にNISAはパワーアップして、非課税期間が無期限となりました。つまり、NISA口座に預けている限り、そこから得られる売却益や配当はずっと非課税なんです。
梅田:じゃあ、たとえば100万円を株に投資して、50年後に5000万円になって売ったとしても、「税金はかけません」ってことなんですか?
小林:理論的にはそうなります。ただ、細かい条件はいくつかあります。前提は「満18歳以上で、日本国内に在住していること」。そして株・投資信託を売買する際は、1つの金融機関しか通してはいけません。また、たとえ損をしたとしても、普通の株・投資信託の売買と同じで補償的なものはまったくありません。自己責任です。
梅田:でもどうして最近よく聞くようになったんですか? 何だかやらないといけない圧みたいなのも感じて……。
小林:根底にあるのは「個人の資金を、株を売買する市場に呼び込んで活性化させたい」という国の方針です。日本人はお金を貯め込む傾向が強いんです。1998年には銀行の窓口で投資信託を買えるようにしたり、株式の売買手数料を自由化したり、株への心理的なハードルを下げるような施策が進められました。2003年には、当時の総理大臣・小泉純一郎氏が施政方針演説で、「貯蓄から投資への流れを加速する」と発言しています。


