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2026.02.27 16:00

空気より軽い「超軽量素材」で世界へ――MUFGが伴走、Rise Up Festa最優秀賞ソラマテリアルの挑戦

空気よりも軽い「超軽量素材」で航空宇宙産業に革命を起こす――。名古屋大学発のスタートアップ、ソラマテリアルが2025年12月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のビジネスサポート・プログラム「Rise Up Festa」最終審査会で最優秀賞を獲得した。

創業わずか1年8カ月での快挙。その背景には、MUFGによる徹底した伴走支援があった。


「最優秀賞に選ばれたのは……」

2025年12月、TAKANAWA GATEWAY Convention Centerで開催された第12回MUFGビジネスサポート・プログラム「Rise Up Festa」の最終審査会。壇上に立ったMUFG取締役代表執行役社長グループCEOの亀澤宏規が最優秀企業としてソラマテリアルの名を告げると、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。

ソラマテリアル代表取締役の大里智樹が満面の笑みを浮かべる一方、舞台袖では伴走を続けたメンターたちの表情にも、喜びと達成感が溢れていた。

Rise Up Festaは、新規性・独創性を有する事業や既存の事業領域を超えた新たな事業に取り組むスタートアップに対し、MUFGのネットワークや豊富なノウハウを最大限活かし、中長期的にサポートしていくことを目的に2014年に開始。日本中のスタートアップや投資家らが最も注目するプログラムのひとつだ。

今回もMUFGが支援する数々のスタートアップがエントリー。最終審査会では1次・2次審査を通過した7社の代表がプレゼンを披露した。AIや環境、医療など、社会課題の解決に直結するテーマに取り組む起業家たちが、そのビジョンや思いについて熱く語った。審査員を務めたベンチャーキャピタル(VC)、Beyond Next Ventures代表取締役社長の伊藤毅は、高レベルのピッチコンテストだと評する。

「特徴的だったのは、ディープテックや大学の研究成果を実用化したスタートアップが多かったこと。実に時代の流れを感じるピッチコンテストでした。7社に共通していたのは、単なるアイデアの発表ではなく、顧客の抱えている課題を解像度高く分析し、それに即したプロダクトサービスを提供されていらっしゃること。非常にレベルが高かったと思います」(伊藤)

そうしたなか、最優秀賞を獲得したのがソラマテリアルだ。名古屋大学発のスタートアップである同社は、空気よりも軽い「超軽量素材」を開発した。黒いスポンジのようなその素材は、空気の半分ほどの密度のため、温めると空中に浮かび上がる。プレゼン中にその映像を公開すると、会場ではどよめきが起きた。

同素材は、航空宇宙やモビリティといった、コスト削減や環境負荷低減のために軽量化が求められる業界での実用化が期待される。たとえば飛行機の機体の断熱材に使用すれば、「既存の断熱材と置き換えることによって約1000キロ、自動車1台分くらいを軽量化することができる」と大里は言う。しかもただ軽いだけでなく、断熱性、吸音性、電磁波遮断などの機能も備えるとアピールした。

受賞した大里は感謝を示すとともに、日本発の素材で世界を目指す決意を示した。

「MUFGのたくさんの方々に後押しを得ました。当社の技術は、そうしたいろいろな方のご支援によって成り立っています。我々だけでは世界を変えられないかもしれないですが、皆さまと一緒であれば、世の中を変えられると思っています。日本を背負っていける材料技術を育てていき、一緒に世界を驚かせましょう」

新素材が切り拓く、技術革新の可能性

ソラマテリアルは、名古屋大学大学院工学研究科助教の上野智永が開発した炭素系機能素材である超軽量素材を社会実装するために、2024年4月に設立された。大里も学生時代、上野の下でその研究に携わっていた。

航空宇宙に対する憧れが強かった大里は、学生時代、素材にのめり込むようになる。その原点は、人力飛行機で飛距離や飛行時間を競う「鳥人間コンテスト」への挑戦だと大里は回顧する。

「鳥人間コンテストの世界では、重要な部品である軸がアルミから複合材料に変わることで飛躍的に距離が伸びたという歴史がありました。材料が軽くなると性能が劇的に変わる−−。材料がブレークスルーを起こすことができることを目の当たりにしたのです」

大学院修了後、大里は大手重工メーカーで複合材料の開発に携わるが、その後、コンサルタントに転身。しかし、航空宇宙への情熱が冷めたわけではなかった。上野たちから事業化の構想を打ち明けられると、これまで培った経験を活かしたいという決意から合流し、ソラマテリアルを共同創業したのだった。

ソラマテリアルとMUFGとの出会いは、創業からわずか2カ月後のことだった。当時、同社が拠点としていた名古屋大学はインキュベーションを推進しており、近年、続々とスタートアップが誕生している。そうした企業との関係を構築するために、三菱UFJ銀行スタートアップ営業部並びにスタートアップ戦略部の担当者が頻繁に同大学を訪れていた。その担当チームに可能性を見出され、MUFGによる支援が始まったと大里は振り返る。

「金融機関のなかでは、MUFGの接触がいちばん早かったです。私たちは研究者出身で企業経営のことが何もわからなかったので、法人口座のつくり方などを一から教えていただきました」

その支援は、経営に関するアドバイスだけでない。三菱UFJ銀行がトヨタと25年1月に開催した「スタートアップ 新事業・新技術展示会」や同年7月に開催した「MUFG Startup Summit in NAGOYA」など、MUFG主催のイベントへの出展を誘致された。

「創業して間もない頃でしたが、実際に素材に触っていただくことで、多くの方に当社を認識していただくことができましたし、メーカーと実証実験を開始するきっかけにもなり、とても意義は大きかったです。現在はそのメーカーにデータを評価していただいている段階で、今後、それを踏まえて改善していく予定です」

分析も資金も人脈も――MUFGがワンストップで支える

Rise Up Festaへの参加も、三菱UFJ銀行の担当者が後押しした。
Rise Up Festaへの参加も、三菱UFJ銀行の担当者が後押しした。

「Rise Up Festaにはちょうど応募を検討していたところだったので、声をかけていただき、即エントリーしました」

エントリーしてからは、MUFGのその道のプロフェッショナルがメンターとしてつき、より本格的な支援が始まった。三菱UFJ銀行だけでなく、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと三菱UFJキャピタルも加わり、3名体制でソラマテリアルをサポートした。

「これまでいろいろなプログラムに参加してきましたが、MUFGのように3名ものメンターがつき、内部まで入り込んで伴走支援していただくプログラムは、なかなかありません。それぞれが専門性をおもちなので心強く、大いに参考になりました」

三菱UFJリサーチ&コンサルティングのメンターからは、市場分析の支援を受けたという。

「我々が取り組もうとしていることが世の中に対してどれくらいのインパクトがあるのか、広い視野で妥当性の評価や調査を行っていただきました。どうしても技術シーズありきですと、そればかりを強調しがちですが、一歩引いて見たときに、どういった場所で誰が必要としているのかを改めて定義する。そのうえで『こういった展開がいいのではないか』といったシナリオづくりをご支援いただきました」

三菱UFJキャピタルのメンターからは、資金調達に関する支援を受けた。

「エクイティ調達を進めるうえで、どういったストーリーを描いていくかという戦略をかなり具体的にアドバイスしていただきました。いまは、リード探しについてもご支援いただいています」

そして三菱UFJ銀行からは、事業を軌道に乗せるためのパートナー企業探しの支援があった。

「量産化するには、設備が大きなファクターになります。三菱UFJ銀行には、Rise Up Festaへの応募前からさまざまな企業をご紹介いただきました。たとえば、炉で処理をする工程があるのですが、既存の設備では我々の要件に合わないので、炉メーカーをご紹介いただき、新たに設備をつくるためのご相談をさせていただいています」

ソラマテリアルがまずターゲットとするのは自動車分野であり、まずはそこでの量産を目指しているという。そして、宇宙、航空へと広げていく戦略を描く。

「製品ラインを地上、空、宇宙と分けると、最初に事業化を実現するのは地上関係で、3年から5年ほどで自動車分野でのサプライチェーンを構築できるようにします。そこでしっかりと体制を立ち上げたところで、ドローンや人工衛星向けの材料開発に取り組む。そして、航空機領域へと技術の練度を高めていきます」

この戦略を推進していくために、大里はMUFGのさらなる支援を期待するとともに、世の中を変えることで恩返ししたいと誓う。
 
「これまでもたくさんのご支援をいただきましたが、これからも、ファイナンスや海外展開を中心にご支援いただきたいです。特に海外展開は単独では難しいので、MUFGのネットワークに期待しています。最優秀賞を受賞したことは非常にありがたいですが、これがゴールでありません。受賞をきっかけに、この技術をしっかりと社会に実装していきたい。素材が変わると製品が変わり、その製品によって実現できることが変わり、世の中が変わっていきます。その流れをしっかりとつくっていくことで、MUFGに恩返しをしていきたい」

大里のまなざしは、すでに次のステージを見据えている。空気より軽い素材が切り拓く未来は、まだ始まったばかりだ。

MUFGスタートアップ支援
https://www.bk.mufg.jp/houjin/senryaku/startup_support/index.html


おおさと・ともき◎ソラマテリアル代表取締役。名古屋大学在学中、ISAS/JAXA特別共同利用研究員として、CNTを用いた複合材料を研究。同大学大学院工学研究科修了後、IHIに入社し、複合材料の開発に従事。コンサルティング会社を経て、2024年4月に同大学助教の上野智永らとソラマテリアルを共同創業。同年10月より現職。

Promoted by 三菱UFJフィナンシャル・グループ text by Fumihiko Ohashi / photographs by Shuji Goto / edit by Mao Takeda