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2026.02.25 16:00

博報堂DYホールディングスが再定義する 人とAIの関係性

生成AIの普及は企業に利便性をもたらす一方で、「人は何を担うのか」という根源的な問いを突きつけている。博報堂DYホールディングスが見据えるのは、その問いを起点にしたAIとの新しい関係だ。


複数のチームがAIを活用して導き出した結論が、約8割においてほぼ同じ内容に収斂した。ある企業が実施したワークショップで起きた事態は、AIの普及が招く「正解のコモディティ化」という危うさを浮き彫りにした。

この現象に対し、「アルゴリズムに頼れば、誰もが瞬時に合格点へ辿り着ける。しかし、それでは独自の競争力は失われる」と指摘するのは、博報堂テクノロジーズ代表取締役CEOの中村信(以下、中村)だ。効率化の果てに待つ同質化をいかに打破するか。今、多くの企業が避けがたい問いに直面している。

博報堂DYグループは、「Human-Centered AI(人間中心のAI)」というフィロソフィーを掲げ、この課題に向き合ってきた。AIを人間の代替ではなく創造性の拡張ととらえ、人間が意思決定の主体であり続ける。この意志を経営の根幹に据え、AI時代におけるクリエイティビティを再定義している。

現在、同グループが推進するのは、広告会社の枠組みを超えて社会のパートナーと価値を共創する「クリエイティビティ・プラットフォーム」への変革だ。2024年4月には、この構想を支える研究機関「Human-Centered AI Institute」を設立。代表には博報堂DYホールディングス執行役員でCAIO(Chief AI Officer)を務める森正弥(以下、森)が就いた。さらに「クリエイティビティ・プラットフォーム」を具現化する戦略が「AI-POWERED CREATIVITY」である。

これは、AIの高度な情報処理能力を人間独自の感性や洞察力と融合させることで、創造性の領域をビジネスや社会のあらゆる活動へと拡張していく試みだ。効率化だけでなく、人間のクリエイティビティをいかに最大化するか─。博報堂DYグループの挑戦は、これからの企業活動におけるAI活用の新たなスタンダードを提示している。

高めるべきは組織と人間のダイナミズム

森は、政府による「人工知能基本計画」の策定にもかかわってきた人物だ。その立場から、日本が過去10年にわたり、ソフトやクラウド領域で後れを取ったことに強い問題意識を抱いている。ハードとソフトを分断して考える旧来の姿勢が、データの集約と最適化が不可欠な時代において、日本の弱点になったと指摘。しかし、生成AIの登場はこの状況を劇的に変える可能性を秘めている。

森は「AI時代には多様な価値があふれ、アイデアが量産される。だからこそ、本来重要なのは『なぜこれをやるのか』という意味を考えることだ」と語り、AIによって代替できない「人間の力」への回帰を強調する。森が企業のAI推進、あるいは組織変革における重要なコンセプトとして掲げているのが「矢印の向きを変える」という発想である。従来のAI導入は人間がAIに問いかけ、AIが答えを返すという一方向的な利便性の追求に終始していた。

しかし、人間中心のAIとは、AIの回答を批判して時に拒否し、またAIから答えだけでなく、むしろ問いも受け、それによって人間が思考をさらに深める双方向的な関係性であるべきだという。「矢印の向きを変える」のはAIの使い方だけではない。もうひとつこの思想を象徴する取り組みが、同グループが展開する「AIメンタリング」制度である。経営層や熟練社員に対し、AI活用に精通した若手社員がメンターとなり、最新のテクノロジーを直接教えるという仕組みだ。

もり・まさや◎博報堂DYホールディングス執行役員CAIO兼Human-Centered AI Institute代表。外資系コンサルティング、グローバルインターネット企業を経て、監査法人グループにてAIおよび先端技術を活用した企業・産業支援に従事。訳書に『信頼できるAIへのアプローチ』(監訳、共立出版)。
もり・まさや◎博報堂DYホールディングス執行役員CAIO兼Human-Centered AI Institute代表。外資系コンサルティング、グローバルインターネット企業を経て、監査法人グループにてAIおよび先端技術を活用した企業・産業支援に従事。訳書に『信頼できるAIへのアプローチ』(監訳、共立出版)。

「重要なのは、若手が経営層に教えるという『逆転の構図』をつくること。この構図は、役員たちがAIの展望を具体的に描けるようになるだけでなく、若手社員も経営層が社会をどうとらえているのかを直接学ぶことができる。結果、互いにリスペクトが深まるという想定外の組織変革が起き、組織全体のダイナミズムを活性化させる起爆剤となりました」(森)

森はAI活用が人間の認知能力を低下させるリスクについても警告を発している。科学誌ネイチャーに掲載された研究などを引き合いに出し、「AIが情報を処理して、人間が最後に意思決定をするという組み合わせが最もクオリティの低下を招く」という。AIが提示する膨大な分析結果を目にすると、人間は思考を停止してそれを受け入れ、誰がやっても同じような平均値の結論に到達するからだ。

そこで、森は再び「矢印の向きを変える」ことを提唱する。まずは人間が自分たちのパーパスに基づいた意思決定を先に行い、そのうえでAIの情報を参照しながら軌道修正を図るというプロセスである。「意思決定を後からするのではなく、最初に行う。このように矢印の向きを変えていく必要がある」と話す森の言葉は、AI活用における人と組織、そして経営の主体性の回復を強く促している。

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promoted by 博報堂DYホールディングス|山本 淳=文|大中 啓=写真|大藤 文(CRAING)=編集