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2026.02.25 16:00

博報堂DYホールディングスが再定義する 人とAIの関係性

AI戦略を現場で機能させる骨格 「3つのA」が導く実装アプローチ

理念としての「Human-Centered AI」を、ビジネスやクリエイティブの現場にいかに実装していくのか。中村は、博報堂テクノロジーズでエンジニア集団を率いる立場から具体的なアプローチを提示している。中村が掲げるのは「Automation(自動化)」「Augmentation(拡張)」「Aspiration(願望・志)」という、AI活用の視点を示す「3つのA」。

この3つのAが、博報堂DYグループのAI戦略「AI-POWERED CREATIVITY」を現場で機能させるための骨格になると語る。第一の「Automation」について、中村は生産性の向上という文脈でその重要性を認めている。しかし、ここでも人間中心の視点は欠かせない。中村は自動化の効用として、タスクの軽減や量産化に加え、多技能化があると解く。

「例えば、マーケティングの職種がメディアの領域まで手がけられる、あるいは営業が全体のラフなデザインを描けるといったひとりで行える領域を、AIの力を借りて広げていくことが重要です。そうすることで専門分野を深化させるだけでなく、仕事の幅と視野が拡大する。結果として、業務全体の速度とクオリティ向上につながります」(中村)

第二の「Augmentation」は、AIを思考のパートナーとし、人間の創造性を増幅させるフェーズである。中村は「人だけでは考えもしなかったことを、AIと一緒に発想していく。気づかなかった視点から、発想が数珠つなぎに拡大していく感覚が重要だ」と語る。その具体例に挙げられるのが「バーチャル生活者」だ。これは博報堂DYグループがもつ20万人規模の生活者意識データや行動データをAIに学習させ、デジタル世界に生活者の意識を再現した対話型AIツールである。特定のターゲットがどのような価値観をもち、自社のブランドをどうとらえているかを即座にヒアリングすることができる。「ツールを立ち上げればそこにターゲットがいて、日常的に対話ができる。

これによって生活者発想が深まり、今までにないアイデアが生まれる」と中村は解く。さらに、総合広告会社 TBWA\HAKUHODOでCCO(Chief Creative Officer)を務める細田高広が提唱するコンセプト開発の手法を学習した「STRATEGY BLOOM CONCEPT」のように、優秀な人材の知見をAIが継承し、社員全体のクリエイティブワークを支援するAIツールの開発も進んでいる。

なかむら・まこと◎博報堂テクノロジーズ代表取締役CEO。1999年博報堂入社。ストラテジックプラニングを軸に、マスからデジタルまで一貫したコミュニケーション設計や、データ・テクノロジーを活用したマ ーケティング変革を推進。2025年4月より現職。日本マーケティング協会マーケティングマイスター。
なかむら・まこと◎博報堂テクノロジーズ代表取締役CEO。1999年博報堂入社。ストラテジックプラニングを軸に、マスからデジタルまで一貫したコミュニケーション設計や、データ・テクノロジーを活用したマ ーケティング変革を推進。2025年4月より現職。日本マーケティング協会マーケティングマイスター。

効率化と能力拡張が進む一方で、中村はひとつの重大な懸念も抱いている。それが冒頭で語った同質化の問題だ。テクノロジーやアルゴリズムに頼りすぎてしまうと、どの企業のマーケティングも似通った見栄えや体験になり、競争力を失ってしまう。中村は、ある企業がワークショップでAIを活用した際、参加チームの約8割が同じ結論に行き着いたというエピソードに触れ、「マーケティングの観点から見ると、これは非常に危険な状況だ」と警鐘を鳴らす。

この同質化を打破するために必要となるのが、第三の「A」である「Aspiration」、すなわち「願望・志」だ。AIにすべてを委ねるのではなく、その企業がどうなりたいか、個人が何を成し遂げたいかという強い意志をもつことがアウトプットのベクトルを独自のものにする。中村は「データドリブンな意思決定は必要だが、それだけでは差別化は生まれない。そこに人間特有の『いい違和感』を見つける感覚や独自のパーパスが加わることで、初めて意味のある違いが生まれる」のだと強調する。

企業の“らしさ”をかたちにするブランデッドAIの可能性

「Human-Centered AI」は、単なる社内向けのスローガンではない。博報堂DYホールディングスは、それを具体的に顧客企業へ提供し、伴走するための実行体制として、25年11月に「HCAI Professionals」を発足。グループ横断のAI活動体である「HCAI Initiative」の流れをくみ、グループ各社のAI人材、知見、データ、ネットワークを結集した専門集団だ。メンバーはAI専門の研究機関、マーケティングプロデューサー、クリエイター、エンジニア、メディアプラナー、導入支援コンサルタントなど多岐にわたる。AIシステムを導入するだけではなく、クライアントの事業、人事、ITといった広範な領域での業務変革を支援する。

なお、博報堂DYグループでは現在8,500人を超える規模のAI人材育成を完了し、2万人体制を目指して全社的なスキルアップを図っている。同社は、企業らしさや「Aspiration」を一緒に掘り起こし、それをAIエージェントに反映させる「Branded AI Agent™」の開発も手がけている。これにより、AIが企業のパーソナリティを体現する顔として機能しながら、生活者との新たな結び付きを創出することも可能になる。

効率化の先にある価値を追求 独自のAIアセットが導く共創の深化

博報堂DYグループが総力を結集して推し進める経営の最上位戦略が「クリエイティビティ・プラットフォーム」への変革だ。これは、AIによる効率化を超えた先にある「創造的成長」を、社会全体で実現するためのグランドデザインにほかならない。

この壮大なビジョンを具体化するために、森が説く「矢印の向きを変える」という視点と、中村が提唱する「3つのA」という実装的アプローチなどを考え方の中心に据え、AIと人間の可能性を極限まで引き出すための探求を続けている。プラットフォーム上で同グループが目指すのは、自社で磨き上げた独自のAIアセットを駆使し、パートナー企業との共創を一段高いレベルへと引き上げること。生活者データの深い洞察を対話型AIツールにした「バーチャル生活者」や、優秀なクリエイターの知を継承した「発想支援AI」は、そのための強力な武器となる。

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promoted by 博報堂DYホールディングス|山本 敦=文|大中 啓=写真|大藤 文(CRAING)=編集