2024年に設立されたアルバトロスは、これまでにMMCベンチャーズ、レッドアルパイン(Redalpine)、ダフニ(Daphni)などの投資家から累計1600万ドル(約25億円)を調達している。昨年には、小売業界の革新的なテクノロジーを称える「Tech for Retail Innovation Award」を受賞した。さらに先月、ワラポップが韓国の検索大手ネイバーに買収されたことで、アルバトロスにとって海外進出の道が開けている。
Eコマース業界では、商品発見を支えるディスカバリー技術に対する危機感が募っており、アルバトロスはこうした状況を商機と捉えている。最近の調査では、複雑な検索クエリを処理した際、Eコマースサイトの約5分の1が適切な結果を表示できなかったという。
ショッパー側でも、商品発見の体験に対する不満が高まっている。昨年マッキンゼーが実施した調査では、Eコマースのプラットフォームやマーケットプレイスで検索やレコメンド機能を利用した際、80%のユーザーが結果に満足できなかったと回答した。同社は生成AIの活用によって、ファッション・ラグジュアリー業界だけでも今後3~5年で営業利益を最大2750億ドル(約42兆円)押し上げる効果が見込めると試算している。
アルバトロスによれば、同社の技術は生成AIを支える大規模言語モデル(LLM)に依存するものではなく、逐次学習型AIを活用して商品提案やレコメンデーションを生成しているという。「言語において単語の並びが意味を成すように、商品発見においてはユーザーの行動の連なりが意味を持つ。我々はその行動をリアルタイムで捉え、意図を読み解いている」と、カーンは説明する。彼はかつて、アマゾンミュージックで機械学習およびレコメンデーション・プラットフォームの責任者を務めた経歴を持つ。
アルバトロスの競合には、「ダイナミック・イールド(Dynamic Yield)」、「インサイダー(Insider)」、「ブルームリーチ(Bloomreach)」といったパーソナライゼーション・ベンダーのほか、「アルゴリア(Algolia)」や「コベオ(Coveo)」などの検索技術に特化した企業、さらに「コンストラクターAI(Constructor AI)」のような商品発見プラットフォームが含まれる。Eコマース市場の拡大に伴い、新たな商品発見アプローチへのニーズは、今後さらに高まっていくとみられる。


