経営・戦略

2026.02.18 07:15

二極化が進むハンバーガー業界、2年連続の1兆円超えと中堅チェーンの躍進

stock.adobe.com

stock.adobe.com

かつてはファストフードの代名詞として、安価で手軽な食事の象徴だったハンバーガー。しかし今、その市場は人手不足や物価高などの影響で決して安価ではなくなってきている。業界最大手の日本マクドナルドが圧倒的なシェアを背景に「一強」の状態を維持するなか、モスバーガーは日本独自のクオリティを追求して根強い支持を集め、バーガーキングは直火焼きの存在感を武器に店舗数を着実に拡大させている。さらに、独自のコンセプトを掲げる独立系や中堅のチェーン店が「個性」を打ち出し、市場の成長を底上げしている。

advertisement

帝国データバンクが発表した全国の「ハンバーガー店」市場に関する調査結果によれば、2024年度の市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比7.0%増の1兆161億円に達し、初めて1兆円の大台を突破した。さらに、2025年度もこの拡大基調は続く見通しだ。予測では前年度比約2%増の1兆300億円前後に達し、2年連続で過去最高を更新する見込みである。物価高に伴う価格改定が進むなかでも、消費者の需要は衰えることなく、むしろ市場全体が活性化している状況のようだ。

この成長を牽引しているのは、市場の「二極化」という構造的な変化だ。調査によれば、大手を中心とした「利便性重視型」と、こだわりの素材や体験を提供する「高付加価値型」への分化が進行している。単なる価格競争ではなく、消費者がその時のシーンに合わせて「タイパ(タイムパフォーマンス)」か「体験価値」かを選択するスタイルが定着したといえる。特に中堅や新興のチェーン店が、マクドナルドのような効率性とは異なる「個性」や「品質」を武器に市場に食い込んできている。

客単価の上昇も市場拡大の大きな要因だ。原材料費やエネルギーコストの上昇を背景とした価格改定に加え、千円を超えるプレミアムなメニューの拡充が、全体の売上高を押し上げている。かつての「安さ」という武器を捨て、品質に見合った「適正価格」で勝負する姿勢が、現在の好調な業績を支えていると言えよう。2026年度に向けても、こうした多様なプレーヤーによる切磋琢磨が続くことで、日本のハンバーガー文化はより一層深まっていくに違いない。

advertisement

出典:帝国データバンク「『ハンバーガー店』業界動向調査(2025年度見通し)」より

文=飯島範久

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事