投資銘柄選定会議への潜入第二弾。30年間揺るがない“バリュー投資”の核心とは?

会社を見るときの「3つの質問」

阿部:ある会社を見るときに、スパークスの創業時から「3つの質問」に答えなさい、と言っています。まず大前提として収益力のあるビジネスをやっている会社を見つけよう、と。そのうえで、(1)その会社は「割安」か。つまりその会社が本来持っている価値に対して価格が安いか。(2)では、なぜ「割安」になっているのか。その理由を考える。それから(3)カタリストは何か。つまり何が起きたら、価値と価格の裁定が働いて、本来の価値に価格が近づくか。

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フォーブス:その3つの質問に答えるために、アナリストの皆さんが調査されるわけですね。

フォーブス:資料にもありましたが、富士急行は創業家と関連企業が今も株を20%以上保有していて、創業家は山梨県の政財界にもかなり影響力が強いですよね。IR改善というお話もありましたが、創業家とのコミュニケーションはどうなんでしょうか。

紙崎:今の社長は、創業者の曾孫にあたる方ですが、「富士を世界に拓く」という創業精神を継承しつつ、富士山エリア全体を発展させていきたいという大きなビジョンを持って、力強いリーダーシップを発揮されてると感じました。

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一方で株主構成は、金融機関や保険会社の株主が多く、流動性が不足しているので、それをある程度解消して、株主層を拡大していくことも企業価値の再評価に繋がるんじゃないかと思っています。

価値と価格の差を言語化する

フォーブス:銘柄会議では、だいたいいつもこんな風にワーっと「Why?」が浴びせられる感じなんですか?

平野:基本はそうだと思います。

阿部:これは紙崎君がスパークスでのデビュー戦だからじゃなくて、誰がやっても議論はたぶん非常に似たものになると思います。一方でウチ以外の会社で、同じ銘柄について議論したら論点が異なるのではないかと思います。

フォーブス:と言いますと?

平野:他社のことははっきりとはわかりませんが、スパークスが、価値と価格の差を言語化しようとする努力をしていることが異なる点ではないかと思います。恐らく他社では富士急行の業績が上を向いているか、下を向いているか、ゆえに株価が上を向いているか、下を向いているかという議論や、次の四半期決算の数値が株式市場の期待を越えるとかという軸が多いのではないかと想像します。

フォーブス:スパークスは業績が上向きか、下向きかは、あまり気にしない?

平野:もちろん業績動向は重視していますが、例えば、ある会社の業績がよくても、その業績の良さが既に株価に織り込まれている、つまり価値と価格が一致していたら、どんなに業績が良くても、いい投資にはならないという判断をすると思います。

フォーブス:なるほど。そこはすごく重要なポイントですね。

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text by Hidenori Ito

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