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2026.02.13 08:00

アルファベットの「100年債発行」、株の買いシグナルかそれとも売りか

Matthias Balk/picture alliance via Getty Images

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超長期の社債は目新しいもののように感じられるが、過去にはコカ・コーラ、クライスラー、JCペニーなど数十社が発行した例がある。では、100年債が市場に登場した後、これら企業の株価はどう推移したのだろうか。

グーグルの親会社アルファベット、AIインフラ拡充の一環として異例の100年債を発行

グーグルの親会社であるアルファベットは先日、債券市場の中でもやや異色の分野に踏み込んだ。

同社は今年AIインフラの拡充に1850億ドル(約28.1兆円。1ドル=152円換算)を投じる計画だが、その一環として、総額10億英ポンド(約2080億円。1英ポンド=208円換算)、利率6.125%の100年債を発行した。この起債は、その週前半に実施された総額200億ドル(約3兆円)の社債の追加発行に併せて行われた。この超長期債には強い需要が集まり、10億英ポンドの募集に対し、約100億英ポンド(約2.1兆円)分の応募があった。

アルファベットによる100年債の発行は、AI投資に関連する借り入れブームのさなかに行われた。アマゾン、マイクロソフト、メタ、アルファベット、オラクルの5社は、データセンター投資の加速を背景に、2025年には合計1210億ドル(約18.4兆円)を債券発行により調達している。

100年債は新しい商品ではないが、決して一般的なものでもない。金利や信用力、競争環境を10年先まで予測することさえ容易ではなく、100年となれば不確実性は飛躍的に増大する。100年という約束は、世代を超えて存続する制度を持つ主権国家レベルであれば想像しやすいが、企業にとってはより厳しい試練となる。産業は変化し、技術は急速に進歩し、ビジネスモデルそのものが消え去ることもある。

企業の寿命に関する確かなデータは乏しいが、その1つの指標としてS&P500種株価指数がある。2017年のイノサイトによる調査によれば、企業がS&P500の構成銘柄にとどまる期間は平均で約20年であり、1960年代の35年から短期化している。この数字は、企業が市場で競争力を維持できる期間の目安として考えることができるだろう。

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翻訳=江津拓哉

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