マーケット

2026.02.13 08:00

アルファベットの「100年債発行」、株の買いシグナルかそれとも売りか

Matthias Balk/picture alliance via Getty Images

テック企業による100年債の発行は、1997年のモトローラ以来

こうした文脈を踏まえると、アルファベットによる今回の起債は特に注目に値するものだ。テクノロジー企業による100年債の発行は、1997年のモトローラ以来である。当時はまだ折りたたみ式携帯電話(フィーチャーフォン)が主流で、ダイヤルアップ接続音が響き渡っていた時代だった。技術革新のスピードを考えれば、100年という約束はほぼ哲学的ともいえる。

advertisement

イェール経営大学院の金融学教授であるウィリアム・ゲーツマンは、これは市場に対する耐久性のシグナルと読むこともできると述べる。ただし、投資家たちは、アルファベットが仮に健全なバランスシートと3兆7600億ドル(約571.5兆円)の時価総額を有していたとしても、とりわけテクノロジー企業である同社がこの長い投資期間を正当化できるほど「存続し得るだろうか」と自問しなければならない。

発行体は資金を固定でき、投資家は長期的な資産を得られるという利点

象徴的な意味合いを超えて、今回の債券には明確な財務上の利点がある。

発行体にとっては、世代を超えて資金を固定でき、借り換えリスクを遠い将来へと先送りできるという利点がある。ゲーツマンによれば、保険会社のような長期負債を抱える債券投資家は、その負債の期間と同じく長期的な資産を求めるため、リスク管理の手段として超長期債に安定した需要が生まれる。また、投資家側はより高い利回りと希少な長期資産を得ることもできる。

advertisement

今日では異例に感じられるこうした証券も、歴史を振り返ればそう珍しいものではない。

ゲーツマンは、19世紀には永久債や超長期債の発行が一般的だったと指摘する。とりわけ鉄道ブームの時代には、資金調達は世代をまたぐものだった。長期債は、数十年にわたり安定収入を生むインフラ事業と整合的であり、頻繁な借り換えの必要性を減らした。

次ページ > 1990年以降に発行された100年債は全部で38本

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事