起業家

2026.02.18 18:00

ロシア国営企業が絡むインド製油所に投資、富豪になった起業家が動かす新投資会社の行方

起業家のフィリッポ・ギレッリ(写真左)Photo by Andreas Rentz/Getty Images for amfAR

建設業と不動産投資での成功、エジプトでの挫折──エネルギー効率化事業で再起

1980年、ローマの中流家庭に生まれたギレッリは、起業家精神にあふれる両親のもとで育った。父は建設会社を経営し、母は農業会社を運営した後、不動産業に転じた。

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彼は、ローマ大学で土木工学を学び、ルイス・ビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得。2003年にイタリアを離れ、西アフリカで建設大手アスタルディのプロジェクトエンジニアとして働き始めた。ギレッリは「素晴らしい経験だったが、インフラ整備が容易ではない国々で大きな困難にも直面した」と振り返る。ギニアとマリを結ぶ橋の建設など、複数のプロジェクトに携わったという。

その後トルコで高速道路建設に従事した後、2006年にイタリアへ戻り、現在はWebuild(ウィビルド)として知られるイタリアの大手ゼネコン、インプレジーロで高速鉄道プロジェクトの開発に関わった。27歳のとき、彼はイタリアの不動産会社デ・アンジェリス・グループに加わった。同社はイタリアとフランスでアパートやホテル、医療施設を保有していた。

2009年、デ・アンジェリス・グループの創業者が交通事故で亡くなるという悲劇が起きた。ギレッリは当時、その創業者と事業の持ち分取得について協議しており、彼の死後、自身が手がけていたショッピングモールなど主要プロジェクトの所有権を交渉によって確保した。後に自ら建設会社を設立し、モロッコやエジプトで住宅および商業施設への投資を開始した。

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しかし2013年、エジプトで反政府デモが発生し、彼は再び試練に直面する。現地を離れざるを得なくなり、開発案件で大きな損失を被ったため、再びイタリアで出直すことになった。「大きな損失だったが、同時に前に進み続けるための重要な教訓でもあった」と彼は語る。

その後、彼は事業の軸足をエネルギー効率化へと移し、Genera Group(ジェネラ・グループ)を立ち上げた。同社はタイヤ大手ピレリや日用品大手ユニリーバなどを顧客に持ち、太陽光パネルの設置や高効率照明の導入、産業工程で失われる熱の回収などの省エネプロジェクトを手がけ、そのコスト削減分の一部を報酬として受け取る仕組みを採っている。

ギレッリは2017年、ジェネラ・グループの持ち分49%をドイツの資産運用会社IKAVに非公開の金額で売却した。その3年後、彼はIKAVの持ち分を買い戻したうえで、今度は75%をスイスの投資会社Susi Partnersに初回対価として3000万ドル(約46億円)を受け取る形で売却した。ナヤラへの投資を検討し始めたのもこの頃だった。

当初はバイオ燃料やEV事業を目指したが、ウクライナ戦争により受動的な投資家へと方針を変更

「我々には2つの目標があった。1つは、従来のジェット燃料よりも排出を抑えられる持続可能な航空燃料を生産するバイオ精製所を建設することだった」とギレッリは語る。「もう1つは、インド政府と提携し、電動オートリキシャを生産するとともに、ナヤラが保有する6500カ所超のガソリンスタンドでバッテリー交換網を展開することだった」。

しかし、ウクライナ戦争がその計画に影を落とした。ギレッリは取引自体は進めたものの、経営判断や日々の運営は筆頭株主(ロシア側)や経営陣に任せ、一歩引いた立場を取ることにしたという。「我々はナヤラでは受動的な投資家になることを決めた。持続可能性の面では役割を果たしたが、資源は他の分野に振り向けた」と彼は説明する。

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翻訳=上田裕資

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