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2026.02.15 17:00

スティーブ・ジョブズの息子が率いる「がん治療支援VC」、2号ファンドで536億円調達へ

ベンチャーキャピタル「Yosemite」を率いるリード・ジョブズ(Photo by Kimberly White/Getty Images for TechCrunch)

放射性医薬品やがんワクチンなど、新たな治療法の可能性に注目

これらの企業はすべて、この15年間でがん治療がいかに大きく進展してきたかを示している。メルクの主力薬のキイトルーダは、肺がんや悪性黒色腫などを対象とする初期の免疫療法薬で、年間売上は300億ドル約4.6兆円)に達している。患者自身の免疫細胞を訓練してがんを攻撃させる個別化免疫療法「CAR-T細胞療法」などの先進治療も登場した。免疫療法や新たな遺伝子治療の分野には、広大な可能性が広がり、最先端の科学的成果を基盤とする新興企業が次々と生まれている。「どれも実現までには、長い時間が必要だが、それらが同時に花開きつつある」とリードは言う。

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アムジェン幹部は、科学の初期段階を支えるハイブリッドモデルを評価

アムジェンの事業開発担当上級副社長ラクナ・コスラは、フォーブスへのメールで、ヨセミテの新ファンドへの出資は「自然な選択だった」と述べた。両社ががんと闘うという共通の使命を持っていることが理由だという。「彼らのハイブリッドモデルは、画期的な科学を最も初期で不安定な段階から支えている」とコスラは付け加えた。

リードは、ヨセミテの新ファンドで約25社に投資する見通しだと述べている。具体的な投資先は明かしていないが、「現在立ち上げている複数のインキュベーション案件がある」と語り、その中には放射性医薬品も含まれるという。放射性医薬品は、特定の部位を狙って放射線を届ける薬剤で、がん治療の重要な手段として注目されている。リードはまた、チャイのように創薬にAIを活用する企業や、Sage Care(セージ・ケア)のように医療現場の運営効率を高めるAI企業にも大きな可能性を見いだしている。

遺伝子治療に注力、がんワクチンも「信じがたいほどの可能性」があると指摘

遺伝子治療にもとりわけ注力している。リードは、チューンやアゼリアが手がける多様な治療法を例に挙げて、「我々は現在、遺伝子治療の春を迎えている。臨床段階に入り始めた企業が、まったく新しいクラスの先駆けになるはずだ」と語る。

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リードは、がんワクチンにも「信じがたいほどの可能性」があると指摘する。がんの発症を予防するだけでなく、すでにがんを患っている患者の免疫系を活性化する効果も期待できるからだ。「ワクチンはがんの根本的なメカニズムに働きかける、もう1つの有力なアプローチだが、まだ十分に活用されていないと思う」と言う。「mRNA研究への予算削減は、がんワクチンの研究にも影響を与えている。なぜそれを削減したいと考えるのか、私には理解できない」と続けた。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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