父スティーブ・ジョブズをがんで亡くしたリード・ジョブズ(34)は、がん治療のスタートアップに投資を行うベンチャーキャピタル(VC)の「Yosemite(ヨセミテ)」を率いている。同社は、製薬大手アムジェンやメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)などの著名投資家から、総額3億5000万ドル(約536億円。1ドル=153円換算)を2号ファンドに向けて調達しようとしている。
父スティーブ・ジョブズの死を経験し、がん治療支援のファンドを設立
リード・ジョブズの父、スティーブ・ジョブズがまれな膵臓がんと診断されたのは、彼が12歳のときだった。父はその8年後、56歳で亡くなった。この経験を機に、リードは、米国だけで毎年60万人以上の命を奪っているがんの治療を目指す企業を支援する道に進んだ。
「これまで死の宣告だと考えられてきたがんの多くは、長期にわたり付き合う慢性疾患へと変わるはずだ。私が生きている間にそれが実現できると思う」とリードはフォーブスに語る。
リードはまず、推定純資産が135億ドル(約2.1兆円)の母ローレン・パウエル・ジョブズが創設したインパクト投資を手がける慈善団体エマーソン・コレクティブで、ヘルスケア分野への投資を始めた。その後、2023年、両親が結婚式を挙げた国立公園にちなんで「ヨセミテ」と名付けた自身のファンドを立ち上げ、第1号ファンドで2億6300万ドル(約402億円)を調達した。
ヨセミテは現在、遺伝子治療企業チューン・セラピューティクスや、人工知能(AI)創薬スタートアップのチャイ・ディスカバリーなど、約20社に出資している。



