新人でありながら効果的なリーダーシップを発揮するマネージャーは、一貫して次のようなことを行っている。
・背景を説明する:優れたリーダーは、決定だけでなく、その決定が下されるまでの背景を説明する。リーダーのコミュニケーションに関するCCLの研究によると、決定の背景理由を理解すると、変化が起きているさなかならなおのこと、曖昧さが減る。
・重要なメッセージは丁寧に伝える:影響力のあるリーダーは、会議中や最新情報に関する文書、1対1の対話などさまざまな場面で、重要なポイントを繰り返す。手段を変えて反復すると、理解が深まり記憶に残りやすくなる。
・回答を与えずに、問いかける:有能なマネージャーは、会話が途切れるたびに言葉でその沈黙を埋めようとせず、相手の意見を募る。『Journal of Applied Behavioral Science』に掲載された研究によると、リーダーが質問を投げかけると、エンゲージメントが向上したり、課題が特定されやすくなったりするという。問いかけることで、「追従すること」よりも「思考すること」が促されるからだ。
・理解を確認する:優れたリーダーは、足並みが揃っていると思いこまず、足並みが揃っているかどうかを明示的に確認する。組織行動におけるズレはしばしば、理解が共通しているかどうかの確認を怠ることで生じるものだ。
こうしたリーダーは、明晰さを上げるために次のような発言をする。
・「この決定に至った背景を説明しましょう」
・「この件を聞いて、どんな疑問が生じましたか?」
・「この件について、私が見落としていることは何かないでしょうか?」
・「この件を、あなたはどう受け止めましたか?」
・「優先事項として聞いたことを、もう一度説明してもらえますか?」
このような発言は、心理的な安全性を高め、チームとしての学習力を向上させる、エビデンスにもとづいたコミュニケーションの実践手法を反映している。さらにこのような発言は、物事を明確にすることは共通の責任であることを示している(それぞれの知力を試すテストなどではないのだ)。
ハイパフォーマーからマネージャーになることは、突き詰めれば、コミュニケーションの成熟度が試される過程だ。このプロセスを無事に通過できたリーダーは、「明確に説明すること」こそが現在の自らの責任であり、「説明なしにスピードを重視すること」はもはや強みではないことを理解しているのだ。


