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2026.02.16 12:30

金融業界の「頭痛の種」をAIで解消──レグテック新興ZeroDriftが挑むコンプライアンス改革

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アルーモーガンは、ゼロドリフトのソリューションが段階的に導入されることを想定しており、初期段階ではよりシンプルなユースケースでの活用を見込んでいる。ゼロドリフトは「一次審査システム」としても機能する。例えば、マーケティング部門の担当者が作成した資料をコンプライアンス部門に回す前に、このシステムで自動的に初期チェックを行うといった運用が考えられる。これにより、最終承認時の作業負荷を大幅に軽減できる。

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実際、金融サービス企業はコンプライアンス負担を軽減するAIの可能性に関心を寄せている。ACAグループと全米コンプライアンス専門家協会(NSCP)が、金融セクターのコンプライアンス専門家を対象に最近実施した調査によると、現在AIを活用している企業の割合は71%に達し、2024年から26ポイント上昇している。

アルーモーガンによると、大手金融サービスグループからゼロドリフトへの引き合いが寄せられているという。同社は既に10社以上とパイロット運用を開始しており、そのうち数社とは今後数週間以内に商用展開へ移行する見込みだ。

こうした急速な普及は、投資家からも熱い視線を浴びている。今回のプレシードラウンドを主導したa16z speedrunのパートナー、トニー・カーウィンは次のように述べている。「現在、コンプライアンスは規制対象企業の運営スピードを制約する要因となっている。ゼロドリフトは、違反を未然に防ぐ仕組みを日常のワークフローに組み込むことで、この状況を打破してくれる」。

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同社の将来性に対する期待も高い。アルーモーガンは今後、英国やEUの金融サービス規制もエンジンに組み込んでいく方針だ。さらに将来的には、ヘルスケアなど他の規制対象分野への進出も視野に入れている。「我々は迅速にスケールできる」と彼は自信をのぞかせる。現在の正社員は、ゴールドマン・サックスでエンジニアリング部門のグローバル責任者を務めた人物を含め5名だが、年内には25名体制まで組織を拡大する計画だ。

ゼロドリフトは、競合がほとんど存在しないニッチ市場を見出したと確信している。レグテック(規制に対応する技術。規制:Regulationとテクノロジー:Technologyを組み合わせた造語)の市場は急速に拡大しており、スタートアップから大企業にいたるまで、AIによるコンプライアンス対応に注力する企業は数多く存在する。しかし、公開前資料の自動点検に特化した競合は見当たらない。「公開前後のチェックを提供するベンダーは、我々だけだと自負している」とアルーモーガンは語った。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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