最新の財務諸表は2024年12月31日を期末とする年度分のもので、これには公開の3カ月弱前までの数字が含まれることから、ほぼ完全なコスト像を示すものだといえる。そこで明らかとなった3億3650万ドル(約514億円)という制作費は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』やマーベル・スタジオ製作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、さらには2017年に13億ドル(約2000億円)を稼ぎ出した実写版『美女と野獣』の制作費をも上回る。
2023年、映画業界の専門家であるヴァリアント・レネゲードは「ディズニーの『白雪姫』リメイクには3億ドル(約500億円)の製作費がかかった」と予測していたが、その推計は極端に高すぎることも低すぎることもなく、保守的なものだった。財務諸表上の数字は、端数を切り下げれば公開2年前になされた彼の予測と一致する。
重要なのは、彼が言及しているのが予算や純費用ではなく制作費である点だ。予算とは、ディズニーが制作するにあたって内部的に割り当てた金額を指す。制作初期にはパインウッド・スタジオのセットが火災に見舞われ、その後大規模な再撮影も行われたため、予算の超過は驚くことではない。しかし話はここで終わらない。
英国政府は『白雪姫』の制作会社に5230万英ポンド(約109億円)を還付した。これにより純費用は2億7160万ドル(約415億円)に減少したが、それでも劇場での成功には至らなかった。
映画館が制作スタジオに支払う取り分は、この業界では「レンタル料」と呼ばれる。映画業界コンサルタントのスティーブン・フォロウズは2014年に1235人の映画関係者に調査を行い、映画館側に残る取り分は平均して49%になると結論づけた。
この一般的な50対50の分配を前提にすれば、ディズニーの取り分は1億290万ドル(約157億円)となり、そこから2億7160万ドル(約415億円)の純費用を差し引くと1億6870万ドル(約258億円)の興行損失となる。


