第四の要素
近年の心理学研究では、さらに第四の要素としてサディズムが加えられている。これにより、この枠組みは「ダーク・トライアド」から「ダーク・テトラッド」へと拡張された。
心理学者デルロイ・ポールフスらの研究に基づくと、サディズムは他の3つの特性と同様に冷淡さや共感能力の低さを含みつつ、他者に言語・身体的苦痛を与えることに快楽を見出す点が特徴だ。極端な行動と結びつけられがちだが、明らかな兆候が見られないサディズムは、ネット上の荒らし行為や暴力的なゲームへの傾倒といった日常的な形で現れることも多い。
ダークな特性はいつも悪とは限らない
これらの特性は連続体として存在している。持っているか持っていないかではなく、それぞれの特性のベル型曲線のどこかに位置している。
進化心理学は、なぜこれらの特性が存在し続けているのかを理解する有力な視点を与えてくれる。もしこれらの特性が完全に順応性のないものなら、自然選択によってとっくに淘汰されていたはずだ。今も残っているという事実は、進化的な役割があったことを示している。
研究者たちは、ダークな特性が「ファースト・ライフ・ヒストリー戦略」を反映していると考えている。予測不可能で危険、あるいは競争の激しい環境においては、長期的な見返りを待つことや、社会規範を厳格に守ること、完全な利他性を優先することが生存や繁殖に不利になる場合もあった。
祖先の環境では、リソースを素早く確保する能力(衝動性)、競争相手を魅了したり欺いたりする能力(マキャベリアニズム)、優位性の主張(ナルシシズム)が短期的には生存上、大きな利点をもたらしたかもしれない。私たちは協力の仕方を知る人々の子孫であると同時に、必要なときには激しく競争する術を知っている人々の子孫でもある。
この進化的背景は、現代におけるアンチヒーローへの強い関心を説明するのに役立つ。現代社会もまた、祖先が生き抜いた世界と同じように不安定で過酷に感じられる場面が多い。架空の人物が官僚主義を冷酷に一刀両断にしたり、自分の利益のためにカリスマ性で腐敗した制度を操ったりする姿を見るとき、私たちは古代からの適応戦略の作動を疑似体験している。
アンチヒーローは、ダークな特性にもかかわらず有能なのではない。多くの場合、それらの特性ゆえに有能なのだ。彼らは、私たちが時に失っていると感じる主体性を体現している。
自分の中にこうした特性を見つけても、警戒したり自己否定したりする必要はない。それは自己認識の行為だ。野放しになっているときには「ダーク」な特性も、責任をもって統合すれば強みになる。他者を操れる魅力は、人々を良い目的へと導く力にもなり得る。冷酷になりかねない野心は、革新を推進する原動力にもなり得る。
悪人と社会生活を普通に送っている人との違いは、ダークな衝動を持っていないことではない。そうした衝動を調整し、社会に貢献する形で表現することを選択する能力だ。


