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Courtesy of Typeform



テック企業はコンピューターやインターネットとの新たな付き合い方を私たちに提供してくれる。米ニュアンス社(Nuance)の音声認識ソフトのお蔭で、誰もがiPhoneのSiriに話しかけることが出来るし、新型iPhone 6s に搭載された「3Dタッチ」は、パネルを少し強く押すことでメールの確認など新しい操作を可能にした。

いつまでも変わらないのは、オンラインフォームに必要情報を書き込む煩わしさくらいだ。質問に答えたり個人情報を入力するためにはいくつもの空欄を埋めなければならない。スペインのバルセロナを本拠とするスタートアップのTypeformは、ロンドンのインデックス・ベンチャーズをはじめとするベンチャーキャピタルから1500万ドル(約18億円)の資金を調達し、この問題を解決しようと乗り出した。

「オンラインフォームによるやり取りは、世界共通です。にもかかわらず、それらのフォームはどれも使い勝手が悪く、タブレットやスマホで入力する場合にイライラさせられます」Typeformの創業者David Okuniev氏はフォーブスの取材に対しこう話した。

元ミュージシャン兼グラフィック・デザイナーという経歴をもつOkuniev氏は、データ収集に対し右脳型のアプローチをとった。 1度に10個の質問に答えなければならないと思えばやる気が失せるのは当たり前だ。従来の入力フォームが多くの人に不評なのは自然なことだというのが彼の見方だ。

入力にあたり、普通の会話のやり取りの様に、質問は1度にひとつというのが、より自然で人間的な情報収集の在り方だ。

Typeformのツールならそれを可能にしてくれる。Typeformを使えば、個人情報やアンケート調査といった典型的オンラインフォームのテンプレートとは異なり、画面をスクロールして表れる質問に、自然な流れで答えていくスタイルを実現できる。

美しいフォントや愉快なアニメーションと共に、ひとつひとつの質問がスライド式に表れ、ユーザーが快適に質問に答えられる画面は、従来型の長方形のテキストボックスが並んだ退屈な画面より4倍は効率的だというのがTypeformの主張だ。

Typeformは、拡張機能以外はすべて無料で利用可能なオンラインサービスの提供からスタートした。今後はウェブ開発者向けのAPIの提供を考えている。利用者はAPIでアクセスしたデータ数に応じた支払いをすることになる。例えば、最大200万件のデータにアクセスするユーザーで、月々のチャージは600ドルとなる。

「私たちは米オンライン決済サービスのStripe同様、各種フォームの入力を簡易化し、誰もがスムーズに利用できるようにしたいのです」とOkuniev氏は言った。そのためにTypeformが入力情報をプロセスすることはない。「ユーザーのデータはユーザーのものですから」と彼は付け加えた。

Typeform のクライアントであるApple、AirBNB、UberやNikeといった企業は、当初から顧客満足度の調査にTypeformを利用してきた。「ゆくゆくは、顧客の皆様に正式な企業向けプランを提供していきたいと考えています。Typeformはビジネスに活用できるツールとして更に進化します」とOkuniev氏は話した。Typeformは過去1年半に毎月16万ドル(約2000万円)の経常収益を上げてきた。

Typeformが人々を魅了するのは、シンプルなデザインを追求する徹底した姿勢だ。 「良い製品はシンプルにデザインされているのです」とOkuniev氏は、旧態依然としたサーモスタット(温度調節装置)を革新したNestを引き合いに出して語った。

米ベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsのデザインパートナーで『The Law of Simplicity』の著者でもあるジョン・マエダ氏はTypeformのデザインにはアメリカとヨーロッパの感性の違いが表れていると言う。「最初にTypeformのインターフェイスを見た時点で、アメリカのデザインではないことがわかりました」

「ヨーロッパのデザインはこれから先どんどん素晴らしいものを生み出すでしょう。テック業界ではやや遅れをとっていた感がありますが、それを挽回しています。今までとは異なる新鮮な視点から様々な素晴らしいものが生まれるはずです。アップル社の製品は、1980年代後半にドイツ系アメリカ人のハルトムット・エスリンガーによってデザインされ、その後イギリス人デザイナーのジョナサン・アイブに引き継がれたと知る人は少ないでしょう。 ヨーロッパにおけるデザインの歴史は長いのです」とマエダ氏は言った。

「Typeformの業績は、テック業界でもデザインの重要性がさらに高まっていることを顕著に示しています。フォルムと機能は切り離せない関係にあることを、人々が理解し始めたということです」とマエダ氏は続けた。

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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