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2026.02.18 17:00

サム・アルトマンが予測した「一人ユニコーン企業」は誕生するのか? 可能性とビジネスアイデア

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チャラールは先日、「一人経営の10億ドル企業」に関する小規模のワーキンググループに対してプレゼンテーションを行ない、「我々はAIパラドックスの時代を生きていると考えている」と指摘した。「我々は、一方で何十億ドル規模の話をし、将来のチャンスを話題にしている。『素晴らしい! まもなくやってくる!』といった調子だ。だがその一方で、無数の人たちが、AIのせいで職を失う、あるいは職を失うのではないかとの恐れを抱いたりしている。我々はこれをパラドックスだと考えている。多くの人が(AIを)恐れているが、理解する必要にも迫られているからだ。『一人経営の10億ドル企業とはどういう意味なのか?』『どんな新しいビジネスモデルが将来的に可能になるのか?』という点を我々が知りたいと思うのは、まさにこれが理由だ」

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リポートの著者であるチャラール、ラップの両氏は、「ソロプレナー」とも呼ばれる一人起業家が、より高い利幅を確保し、グローバル事業が構築できる未来を後押しする仕組みとして、AI、ノーコードツール、クラウドインフラの3つを挙げている。「未来は、より少ない人が同じ仕事をこなすことにはない」と、リポートには記されている。「未来は、新たなツールと新たな文化のもとで、一人一人がかつてないほどの成果を達成することにある」

そして、このトレンドを牽引しているのはAIだけではない。ブロックチェーンや、フリーランスを結ぶグローバルネットワークの台頭も寄与していると、両氏は指摘している。「一人経営の10億ドルビジネスは成立可能だが、これはAI(だけ)によるものではない」と、チャラールは述べている。「テクノロジーの進展やファイナンスの進展、さらには文化的な進展があるからだ」

今回のリポートに掲載するデータを準備するために、両氏はS&P 500企業および急成長を遂げているスタートアップ、計800社以上を対象に、決算発表後の電話会見やリポートを分析した。さらにその結果を50の「高いポテンシャルを持つAIネイティブの青写真」に再構築し、「より賢く、速く、従来の制約を超えて規模を拡大する」チャンスをもたらすビジネスをピックアップしている。

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両氏は、AIベースの方法論を編み出して、起業家にとってチャンスにつながる可能性がある「市場に存在するギャップ」をピックアップした。これについてチャラールは、「我々の研究に基づいて課題を発見することができれば、その課題に従って、なんらかの市場のギャップを見つけられることがわかった」と説明している。

「一人経営の10億ドル企業」が生まれる可能性

チャラールとラップの両氏と同様に、一人経営の10億ドル企業の登場を予想する声は、専門家のあいだで高まる一方だ。米国スタートアップ企業の成長を支援する金融機関Carta(カルタ)に登録されている数万の企業のデータに基づくリポート「2025 Solo Founders Report(2025年版・一人起業家リポート)」によると、カルタに登録するスタートアップのうち、一人起業家による企業の占める割合は、2019年の23.7%から、2025年上半期には36.3%にまで増加した。 

この「Solo Founders Report」は、非上場企業向けのERP(基幹業務システム)を開発しているカルタと、サンフランシスコに拠点を持ち、一人起業家の事業拡大と資金調達をサポートする育成プログラム「Solo Founders(ソロ・ファウンダーズ)」によって作成されたものだ。

このように、カルタ登録企業のうち一人起業家の割合は増えているが、カルタの登録企業が2024年の1年間で調達した資金のうち、一人起業家が手にした割合は14.7%にすぎない。とはいえ、ベンチャーキャピタル(VC)による提供資金のうち一人起業家が占める割合は増え続けていると、「Solo Founders Report」は報告している。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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