ウクライナに侵攻しているロシア軍は、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」が無効化されたことで混乱に陥っている。一方、ウクライナ側は引き続きスターリンクを利用できるように、自国の端末を急いで「ホワイトリスト」に登録している。
この戦争では双方とも、妨害への耐性が高い長距離通信を提供する商用サービスのスターリンクを広範に利用してきた。現在、スターリンクはロシア側には提供されなくなり、ウクライナで正式に登録された端末しか利用できなくなっている。
「『ホワイトリスト』に追加されたスターリンク端末は動作している。ロシアの端末はすでに遮断された」。ウクライナのミハイロ・フェドロウ国防相は5日の声明でそう説明している。
ロシア軍には破滅的な影響が出ており、一部の部隊では9割がインターネットへの接続を失ったと報告されている。敵味方の識別が困難になり、「友軍誤射」事案が相次いでいるとも伝えられる。
「(ロシア)軍部隊の指揮統制は完全に崩壊した。多くの地域で突撃作戦が停止している」。ウクライナの電子戦専門家で、フェドロウの顧問でもあるセルヒー・「フラッシュ」・ベスクレストノウは5日にそう指摘した。
予見されていた問題
スペースXが行動を起こしたのは、ウクライナの旅客列車がロシアのドローン(無人機)攻撃を受け、5人が死亡するという残忍な事件がきっかけだった。ロシアのシャヘド型ドローンは通常、衛星航法を利用し、あらかじめ設定された目標を攻撃するが、最近はスターリンク端末を装着し、操縦士が映像フィードを通じてリアルタイムで操縦できるよう改修された機体が増えている。これにより、移動目標への攻撃が可能になっている。
この場合、操縦士は自分が何を攻撃しているのかもわかっている。ロシア側はたとえば、軍の指揮拠点を狙ったシャヘドが誤って集合住宅に命中してしまったなどと主張するかもしれないが、今回のようにシャヘド3機が連続して旅客列車を攻撃した場合、それが意図的なものであることに疑いの余地はない。



