スタートアップや新規事業などのクリエイティブ支援を行うインキュベーションチーム「Firstthing」は25年11月、クリエイティブに起業家精神を育てる学校「虎子屋 toracoya」をTOKYO NODE LABで開校。
スタートアップ起業家、新規事業担当者、学生など「未来への一歩を踏み出したばかりの人」と「踏み出したい人」約30人が参加し、約1カ月間で計4回の講義や課題発表が行われた。講義では、最前線で活躍するクリエイティブ/プロフェッショナルが日々磨く「発想力」「伝達力」「実装力」をインストールする目的で多様な講師が登壇。
初日は「言葉」を起点に、広告制作から商品開発、都市開発、さらには飲食店プロデュースまで、幅広い分野で活躍する POOL Inc. 小西利行、ファミリーマートの衣料品ブランド「コンビニエンスウェア」のクリエイティブディレクターを務める落合宏理、ヒップホップアーティストをはじめ様々なインディペンデントな才能を支援し新たなエコシステムを試行するCANTEEN 代表 遠山啓一が特別講義を行った。
Forbes JAPANでは、その中から小西利行の講義の一部を紹介。未来をつくる受講者たちに、起業家・クリエイターの先輩として仕事に対する「考え方」や「戦い方」を語った。
「自分は何者なのか」を決める
今日は、自分がこれまでいろいろな人たちと仕事をしながら培ってきた考え方と戦い方について話します。
最初にした方がいいことは、仕事をするうえで自分は何者なのか決めることです。僕が決めたのは「言葉で企業を変える人」です。別に変えるのは企業でなくてもいいんです。自分の周りを幸せにしたいとか何でもかまいません。自分が何者なのか、一度決めるといろんなことがやりやすくなるし、話しやすくなります。
ただ、やっていくうちにそれが自分に合わなくなることがあります。そういう時は変えればいいんです。なんとなくでもいいから、自分はこんな風にやっていこうと決める。するといろいろ楽になります。

2つ目は「哲学をチームと共感する」です。哲学というのは、自分の思っていることを言葉にしたものです。例えば、「共創をカタチで捉えて丸くせず、狂騒するほどの熱狂を生もうとする組織」をつくりましょうと。共創はいいものだと思われていますが、絶対に丸くなります。だから狂って騒ぐようなものをつくる「狂騒」までいきましょうと、最初に決めておくのです。これが哲学の共有ですね。
そうすると、「これは狂騒までいっていないよね?」という、議論がどんどん出てきて形になっていくんです。哲学の種は、好きなアーティストの歌でも落語でもなんでもいいです。これは自分の考えにすごく合っていると思ったらピックアップしておく。そしてチームや仲間を作るとき、最初にそれを公言する。みんなが共感すれば、その哲学がルールとなり、それに沿ってプロジェクトを進めることができます。とてもわかりやすくなるのです。
3つ目は「ビジョンをつくる」です。「それ、いいですね。共感します」と言ってもらうために、ビジョンはとても重要になります。つまり、目的は何なのかを明確にしておくということです。
例えば、マンガ『ワンピース』のルフィたちはなぜ冒険を続けているのでしょうか。主人公のルフィが海賊王になることと、「ひとつなぎの大秘宝」を見つけるという目的があるからです。目的を設定することで、この目的を達成したいのだな。なるほど、だからいまこれをやっているのだなとなるわけです。



