ジェフ・ベゾスの元妻、マッケンジー・スコットは、過去7年間で260億ドル(約3.95兆円。1ドル=152円換算)を寄付し、史上3番目に多額の寄付を行った慈善家となった。彼女の寄付額は、2025年の1年だけで72億ドル(約1.1兆円)に達しており、この額のみでイーロン・マスクやラリー・ペイジ、ラリー・エリソン、そしてジェフ・ベゾスが生涯で行った寄付額の合計を上回った。
スコットは、DEI(多様性・公平性・包摂性)をめぐる激しい政治的反発が広がる中で、自らの信念を貫いており、2025年末の3カ月間で18の歴史的黒人大学(HBCU)に7億6000万ドル(約1155億円)以上を寄付した。2019年にベゾスと離婚して以降、彼女はこれまでと同様に大々的な発表を行わず、使途の条件もほとんど付けない形で寄付を行っている。
スコットから8000万ドル(約122億円)を受け取ったハワード大学の広報担当者は、「これほどの規模の使途を限定しない寄付は前例がない」とフォーブスに語った。同大学が寄付の事実を知ったのは、スコットの慈善団体イールド・ギビングの担当者からメールが届いた時だったという。スコットは、2025年に186の団体に総額72億ドル(約1.1兆円)を寄付しており、単年として世界で最も寄付額が多い慈善家となっている。この金額は、フォーブスが2012年に寄付額の追跡を始めて以降、1年間で最大の寄付額でもある。
また、これほどのスピードで資産を手放した人物は、スコット以外にいない。ベゾスから受け取ったアマゾン株の75%以上をすでに手放した彼女は、7年足らずの間に2500以上の団体へ264億ドル約4兆円)を寄付した。
累計寄付額でスコットを上回るのは、ウォーレン・バフェットと、ビル・ゲイツおよびメリンダ・フレンチ・ゲイツの2組のみとなっている。ただし、彼らの寄付は、いずれもスコットよりはるかに長い期間をかけて行われている。スコットはまた、米国の慈善家トップ25人のうち、資産の40%以上を寄付した4人の一人でもある。トップ25のうち17人は、純資産の10%以上をすでに寄付しているが、米国の上位12人の富豪の中でその水準に達しているのは、史上最大の慈善家であるバフェットただ一人だ。
上位25人の累計寄付額は43兆円に
米国の慈善家トップ25人がこれまでに寄付した総額は2750億ドル(約41.8兆円)で、前年から340億ドル(約5.2兆円)増加した。ただし、これは彼らの資産合計の14%にすぎず、この割合は2021年以降で最も低い。注目すべき点として、トップ25のうち6人は単独の女性で、11人は夫婦、もしくは元夫婦のペアだった。
この背景には、「女性はより迅速かつ寛大に寄付する傾向があることに加え、創業者や主要な富の創出者ではない人ほど、資産の所有意識が相対的に弱く、慈善活動においてより大きなリスクを取ることに前向きである傾向が挙げられる」と富裕層の資金を集める非営利団体レバー・フォー・チェンジのCEO、セシリア・コンラッドは述べている。同団体の支援者には、スコットやメリンダ・フレンチ・ゲイツのほか、少なくとも3人のビリオネアが名を連ねている。
一方、世界で最も裕福な2人であるイーロン・マスクとラリー・ペイジは、合計の資産が1兆ドル(約152兆円)を超えているにもかかわらず、寄付額ではトップ25に入っていない。



