「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」なんて昭和の時代にはよく言われたが、あれは迷信だった。今はチョコレートを食べるとニキビができると信じる人が多いようだが、そっちは本当だろうか? じつはこれも科学的根拠に乏しい言説だ。それどころか、適量のチョコレートはお肌にいいようだ。
関東で美容外科アイシークリニックを展開する医療法人社団鉄結会は、月に1回以上チョコレートを食べる20〜50歳代の男女300人を対象に調査を行ったところ、チョコレートでニキビができると信じている人の割合が4割以上にのぼった。「やや信じている」人を含めると8割に迫る。

実際にチョコレートを食べる機会が増えるバレンタインデーの時期に肌が荒れると感じている人は6割以上。肌荒れ予防にチョコレートを制限している人の割合も6割近い。

しかし鉄結会は、チョコレートによって直接ニキビができるわけではないと話す。肌荒れの原因になるとすれば、チョコレートの食べ過ぎによる糖質と脂質の過剰摂取だ。バレンタインデーの時期に肌荒れを感じる人は、6割以上が同じ時期に睡眠不足とストレスを感じていることがわかった(複数回答)。また甘い物を多く食べたという人も6割近い。この時期は年度末の繁忙期でもあり、ストレスや生活習慣の乱れが肌荒れに大きく影響しているという。チョコレートが濡れ衣を着せられたというわけだ。

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があり、活性酸素を抑制して肌の老化防止や炎症軽減に寄与するという。あくまで一般的な目安だが、鉄結会はチョコレートの種類別の肌への影響を以下のように示している。
| 比較項目 | ダークチョコ(カカオ70%以上) | ミルクチョコ | ホワイトチョコ |
| カカオポリフェノール | 多い(抗酸化作用) | 少なめ | ほぼなし |
| 糖質量(100gあたり) | 約25〜30g | 約50〜55g | 約55〜60g |
| GI値目安 | 約22(低GI) | 約51(中GI) | 約44(中GI) |
| 乳脂肪分 | 少ない | 多い | 非常に多い |
| 肌への影響(適量摂取時) | 良い影響の可能性 | やや注意 | 注意が必要 |
| 推奨摂取量 | 1日25g程度 | 1日15g程度 | 少量に抑える |
アイシークリニックの髙桑康太医師は、「チョコレートを食べただけでニキビができるという科学的根拠は現時点では確立されていません」と話す。ただし、チョコレートの種類によっては糖質や乳脂肪分の過剰摂取となり、血糖値の急上昇によるインスリンの過剰分泌で皮脂分泌が促進され、ニキビの間接的な原因になりうる」とのことだ。「チョコレートを我慢するよりも、適量を楽しみながら睡眠をしっかり取り、スキンケアを怠らないことのほうが、はるかに肌にとって重要」だと髙桑氏は話している。



