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2026.02.16 09:00

「教えにくい」でも9割のリーダーが重視 AI時代に価値が爆上がりするソフトスキルの磨き方

Shutterstock.com

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需要の高いスキルのランキングで、コミュニケーションがこの10年で初めて首位から陥落した。タレントマネジメントシステムを提供するCornerstone(コーナーストーン)の「2026 Skills Economy Report」によると、人工知能(AI)と機械学習の需要が245%増えて首位に立った。

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世界中の組織でAIの導入が急速に進んでいることを考えれば、これは驚くことではない。意外なのは、テクニカルスキルと並行して社会人としてのスキル(ソフトスキル)への需要も高まっている点だ。AI導入の加速は社会人スキルの必要性を消し去ったわけではなく、むしろ強めている。

実際、将来的にはこれらのスキルを明確に分ける境界線が存在しなくなる可能性もある。仕事に必要なハードスキルとソフトスキルを切り離せない形で身につけている人が「即戦力」になるか、そうでないか、という世界になるかもしれない。

AI関連スキルの需要が高まっている理由は、すでに明らかだ。社会人スキルの成長を「未来の本当の通貨」としてとらえよう。これらは時代遅れにならず、あらゆる分野で必要とされ、希少になるために価値が高まる、人間ならではの能力や特性だ。

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ソフトスキルは教えにくい

なぜ Cornerstoneのデータでは熱意(+999%)や自立して働く力(+850%)、感情知能(+95%)といった人間的なスキルへの需要がこれほど急増しているのだろうか。それはこれらのスキルがAI主導の職場で活躍するための前提条件だからだ。

適応力や批判的思考、問題解決力といった社会人スキルがなければ、この変化する環境に対応できない。チームワークや創造性、労働倫理などの人間的な特性なしではAIを効果的に導入することも難しい。AIは人間のスキルがあってこそ効果を上げる。

しかし雇用主が今日、これらのスキルを求めている理由はそれだけではない。米ナショナル大学のWorkforce and Community Education担当上級副学長であるクリス・グラハムは「ソフトスキルは教えるのが難しいため、強い需要がある」と話す。「ソフトスキルは往々にして生まれつきのものだ。リーダーシップ、批判的思考、問題解決力、感情知能、チームワーク、適応力、向上心といったスキルは、従来の研修方法では身につけにくい」

採用担当者も、応募者の多くが最初からこれらのスキルを備えているとは思っていない。「最近社会人になった人の多くは、新型コロナのピーク時に学位取得の最終段階にいたり、社会人生活を始めたりしていた」とグラハムは説明する。「こうした労働者は、前の世代がキャリア初期に経験したような社会人としての『育成』を受けていない」

「こうした種のスキルは習得曲線が急なため、後から追いつくのは定義が明確なスキルセットよりも難しい」

初級レベルの育成の場が消失

必要なテクニカルスキルや社会人スキルを持つ人材探しが難しくなる中、採用担当者は今後、数年内に別の課題に直面する。それは、自ら生み出してしまった人材ギャップだ。データによると次の通りだ。

・初級レベルの仕事の70%は自動化可能

・複雑な問題解決を伴う初級レベルの仕事は30%のみ

・現在、85%の職種がAI経験を要求

これは何を意味するのか。AI経験を持つ人材への需要が高まる一方で、その経験を積むための初級レベルの道筋が消えつつある。

この懸念すべき傾向についてCornerstoneの報告書は、「特に懸念されるのは、短期的な効率を優先するあまり、初級レベルの職という能力形成の場がなくなり、長期的に深刻なスキル供給不足が生じる可能性がある点だ」と強調している。

AIが新たな「初級レベルの労働者」になりつつあり、人間の新人には最初の仕事からより多くの価値提供が求められている。

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翻訳=溝口慈子

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