北米

2026.02.17 13:00

黒字化で「見えづらい」ボーイングの真の姿、旅客機事業が競争力喪失の危機

Shutterstock.com

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ボーイングの旅客機事業──まだ「森を抜けた」わけではない。ボーイングは2018年以来初めて年間黒字を計上した。メディア報道の一部には、この黒字がボーイングが直面する真の問題を覆い隠さないよう注意深い論調もあるが、それでもこの利益は広く、ボーイングがなお抱える課題の煙幕となってしまった。

深刻な課題だ。

現実には、ボーイングは未来を構想するのではなく、過去に追いつこうと必死になっている。とりわけ最重要の単通路機セクターにおいて、同社はいま、市場が同社にとって災厄になりかねない局面を迎えている。

ボーイングが2025年の業績を発表したのと同じ週、世界の航空会社の機材計画に関して、ほとんど報じられなかった出来事が3つあった。いずれも、ボーイングの真の将来について、複数のアナリストが見解を変えるべき内容だった。

その3点にはすぐ触れる。だがまず、現在の旅客機事業を俯瞰しておきたい。

ボーイングのグローバル競合──エアバス以外には脅威となる存在はほとんどない

航空会社が機材を増やす必要があるとき、単に購入して前へ進むだけだ、と考えるのは自然だ。だが厳しい現実として、今日の航空会社は市場にあるものを受け入れざるを得ない。その市場は、大部分がボーイングとエアバスという2社に支配されている。

確かに周縁には他社もいる。主たる存在がエンブラエルで、単通路機の2つの派生型を生産中だ。小型の76席仕様E175は好調な売れ行きを見せているが、それは必ずしも航空需要のボリュームに完璧に合致しているからではない。主に米国の事業者が購入し、ユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空といった大手航空会社にリースしている。労組のスコープ条項に適合しており、その結果、大型機よりも効果的に多くの市場をカバーできるからだ。

エンブラエルにはこのプラットフォームの大型版E190/195もある。数カ月前まで米国の顧客はUSエアウェイズのみだったが、同社がアメリカン航空と合併すると190は消えた。それ以降、より成功し得る新型も登場している。ラタム航空とアヴェロ航空からの受注は明確な兆候である。

だが、その兆候は、ボーイングが737の追加開発における「やり切り」の余地を使い果たしつつあり、世界的な存在感を失っていることを示す、単なる市場の風見鶏にすぎない。

もちろん、中国の旅客機という蜃気楼もある。時折、事情に疎いアナリストが、いずれこれらの機体が実用に耐えるようになるという希望にすがり、空想的な記事を書き立てる。だが真実はこうだ。中国が提供しているとされるCOMAC C919(エアバスA320に似た単通路機)は、すでに10年以上前の機体であり、量産には至っておらず、EUや米国での認証にもほど遠い。面子を失わないために政府支援で延命しているに等しい。

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