信頼の重要性
信頼は、愛されるブランドを構築する上での重要要素だ。ブランドに対する信頼と愛情は通常、特定の約束を果たすことで生まれる。おいしい食事を提供する場合であれ、税務申告を簡単にする場合であれ、そのブランドの約束はきちんと果たされる、と顧客が信頼すれば、繰り返し利用されるようになる。
実際、HubSpot(ハブスポット)のリポートによると、顧客の93%は、優れたサービスを受けた後、再購入する可能性が高まり、半数近くは、より良いサービスを求めてブランドを切り替えるという。
多くの場合AIによって実現される「パーソナライゼーション」は、現代の顧客とより高い信頼関係を構築する上で主要な差別化要因となりつつある。調査によると、顧客の81%が、パーソナライズされた体験を提供する企業の利用を好むことが判明している。
AIは、ブランドが適切なオファーを提供できるよう支援できる。また、顧客がサポートを求めた際に、カスタマーサポート担当者が、顧客の背景に関するより詳細な情報を把握できるように支援できる。
信頼を生み出すイノベーション
信頼とイノベーションはまったく別物とみられることが多い。だが実際には、適切なアプローチをとることによって、信頼という概念そのものが、イノベーションの一形態になり得る。
サービス型ビジネスコーチであり基調講演者でもあるレジー・ティウは、LinkedIn(リンクトイン)の投稿において、立地条件が不利であるにもかかわらず、信頼がどのように自身のビジネス構築に貢献したかを説明した。
「すぐそこに理学療法クリニックがあるのに、15ブロックも離れたところに、歩いて通うのはなぜか?(中略)それは、我々が他をはるかに超える体験を提供するからだ(中略)医療の世界では、顧客体験のハードルはとても低い。これに気づいたとき、私は決めた──これを利用しよう、と。より大きな施設を持つのは、誰にでも簡単にできる。より豪華な設備をそろえたり、さらに多くの資格を取ったり、あるいは、あなたのクリニックより安価なコースを提供したりするのは誰にでも簡単にできる。しかし、より寛容な心を持つのは簡単なことではない」
ティウにとって、自身が属する分野でこのレベルの信頼を獲得できたのは、プロアクティブ(先見的・積極的)で肯定的な顧客体験の創出に注力した成果だった。具体的には、顧客のニーズを予測することや、慢性的な疼痛に悩む患者に対するスタッフの対応方法を変えることなどだ。自分は大切にされている、と患者が感じられる取り組みを重ねることで、信頼が育まれ、患者のロイヤルティを劇的に高めた。
一方で、データ収集やプライバシー、企業倫理に関わる懸念、そして質の低いカスタマーサービスは、多くの業界で信頼感の大幅な低下をもたらす可能性がある。これらの問題の解決に焦点を絞り、信頼を築こうとするブランドは、自社の仕事に対して、より革新的で効率的なアプローチを生み出し得るし、業界における自社の評判も高めることができる。


