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2026.02.10 13:00

「AIが雇用主」エージェントが人間を雇うRentahuman.ai──日本で仕事を請け負った人も

Rentahuman.ai(スクリーンショット)

アマゾンのカニカル・タークと異なり、AIが主体となって発注と管理を行う点が重要

人間の活動にAPIを載せた企業は、これが初めてではない。アマゾンは20年以上前、別の限界を解決するために登場したAmazon Mechanical Turk(アマゾン・メカニカル・ターク)で似た考え方を実装した。初期の機械学習システムは、画像のラベリングや音声の文字起こしといった知覚タスクが苦手だった。人間がマイクロタスクをこなしてその穴を埋め、モデルを訓練した。

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Mechanical Turkは、人を機械の助け手として位置づけた。だが違いは、全体タスクの監督、タスク指示、成果物の管理をしていたのが人間側だった点にある。Rentahuman.aiは、人間を機械の拡張として位置づけ、発注と管理を機械が行う。

AIを賢くするためのデータ生成ではなく、AIの手足となって物理タスクを完遂する役割

この違いは微妙だが重要である。Mechanical Turkは、アルゴリズムが改善できるように、人間にデータ生成を求めた。Rentahuman.aiは、アルゴリズムが実行できるように、人間に行動を求める。

どちらの場合も、労働は離散的な単位に分割される。価格は一般的な目的ではなくタスク範囲を反映する。信頼は雇用契約ではなく、評価や検証によって担保される。変わったのは主体性だ。依頼者はもはやダッシュボードをクリックする人間ではない。目標に向けて最適化された自律プロセスだ。

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人間が交換可能な部品として扱われる可能性に加えて、責任の所在や身元調査に関する懸念

この発想に対する文化的な混乱は、フィードバックループが今や双方向に走っていることに由来する。人間は機械に何かをさせる。機械は人間に何かをさせる。双方が相手を資源として扱う。今や、人間が機械に何かをさせ、その機械が人間に何かをさせるという状況になっている。この再帰的ループは、実際にはさらに数段続くかもしれない。

より概念的に見れば、人を交換可能な歯車として扱うことは、AIがなくても組織内ですでに起きていると、多くの人は感じている。ソフトウェアが倉庫作業員にタスクを割り当て、アルゴリズムがドライバーのシフトを組み、システムが経費を承認したり却下したりする。人はますます交換可能な部品として見られている。ならば、機械がAPI層を通じて人を直接リクエストできるようにして、さらに直接的にしてしまえばよいのではないか。

不快な問いも生じる。エージェントが人を危険な環境に送り込んだとき、責任は誰が負うのか。身元調査はどう扱われるのか。指示が曖昧、あるいは矛盾していたらどうなるのか。これらは机上の空論ではない。ギグ・プラットフォームやアルゴリズム管理をめぐってすでに展開されている議論を、そのまま映し出している。

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翻訳=酒匂寛

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