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2026.02.10 11:30

AIエージェントが企業データベースのすでに「80%を構築」、データブリックス発表

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データベースは長年、企業システムのソフトウェア・スタックの下層に静かに鎮座してきた。不可欠で安定しているが、普段は目立たない存在である。あらゆる仕組みを支えながら、企業ITの中では最も保守的な層として、慎重に用意され、変更はゆっくりで、多くの場合人間の運用者が厳格に管理してきた。しかしデータブリックス (Databricks)は、この時代が終わりつつあり、その崩れ方は多くの企業が考えるより速いとみている。

AIエージェントが、企業データベースの80%・テスト/開発環境の97%を作成と発表

クラウドベースのデータ/AI企業であるデータブリックスが新たに公開した「State of AI Agents」レポートによれば、同プラットフォーム上ではAIエージェントが現在、データベースの80%と、テスト/開発環境の97%を作成しているという。わずか2年前、データベース関連の作業でエージェントの存在感はほとんどなく、ほぼすべてを人間の開発者が担っていた。この変化は、AIがもはやコパイロット(補助的な開発ツール)やダッシュボード、分析レイヤーに閉じ込められていないことを示す。AIエージェントが、データベースを立ち上げ、環境を分岐させ、データワークフローを機械の速度で管理するなど、基幹インフラそのものを動かし始めている。

データブリックスの共同創業者でチーフアーキテクトのレイノルド・シンは筆者にこう語った。「40年間、データベースは人間の管理者が関与することを前提に設計されてきました。AIエージェントが主要なオペレーターになると、人が手作業できめ細やかな世話をする『ペット型』のモデルはすぐ破綻します。エージェントは、人間には到底かなわない速度と量で動くからです」。

シンによれば、複雑なコーディング問題に取り組むAIエージェントは、並列に数十の隔離されたデータベース環境を立ち上げ、複数の仮説を同時に検証し、結果を評価し、その後すべてを破棄する必要がある場合がある。しかもそれを数秒で行う。計算(コンピュート)と保存(ストレージ)が同じマシンに同居する従来の「shared-nothing」(共有なし)アーキテクチャは、この規模を想定して設計されていなかった。

「プロビジョニング(環境の準備・割り当て)にかかる時間が遅すぎますし、何千もの環境のためにデータを物理的にコピーするストレージコストは現実的ではありません」とシンは述べた。こうした力学は、データブリックスが「lakebase」(レイクベース)と呼ぶ新しいデータベース・カテゴリーへ積極的に踏み込んできた理由を説明する助けになる。Databricks Lakebaseが一般提供となった今、同社は、データベースは静的で予測可能な人間主導のワークフロー向けに作られたシステムを超えて進化しなければならない、という明確な賭けに出ている。

同社はデータベースを、伸縮自在でプログラム可能なインフラとして捉え直している。AIエージェントが機械の速度で作成し、分岐し、管理できるようにする狙いだ。

シンはこう説明した。「私たちは、エージェント型コーディングを可能にするため、Lakebaseを2つの狙いで作りました。トランザクション処理のエンジン(コンピュート)をデータ(Lakebaseに置いたストレージ)から完全に切り離すことで、エージェントは状態を持たない計算用ヘッドを即座に立ち上げ、データを動かさずに同じ基盤データへアクセスできます。カスタムアプリが爆発的に増えると、IT部門は何千もの新しいデータベースがもたらす保守の『津波』を当然恐れます。Lakebaseはデータベース管理をサーバーレスでポリシー(運用ルール)駆動の体験に変え、ITの運用負荷が増えないようにします」

データブリックスのアーキテクチャ上の攻勢は、強い財務面の追い風と同時進行で進んでいる。

2025年12月、データブリックスはシリーズLラウンドで40億ドル(約6200億円。1ドル=155円換算)超を調達し、企業価値は1340億ドル(約20.8兆円)に達した。2025年第3四半期時点で、同社は年換算の売上高(ランレート)が48億ドル(約7440億円)に達したと報告しており、前年同期比で55%超の成長を示している。AI製品とデータウェアハウジングが現在、その拡大を支える柱であり、いずれも年換算10億ドル(約1550億円)超のランレートを突破した。さらに、Lakebaseの初期導入は同社の中核であるデータウェアハウジング事業を上回る勢いで進み、最初の6カ月で売上が2倍の速度で伸びたという。

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翻訳=酒匂寛

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