技術点
全ての演技とカテゴリーには、審判団によって評価される必須要素が含まれる。これらの必須要素には、国際スケート連盟(ISU)が毎年公表し設定する「基礎点」が付与される。要素の基礎点は、ジャンプの回転数、または要素(スピン、ステップ、リフトなど)に割り当てられた難易度レベルによって決まる。
スケーターが氷上で演技を行っている間、技術審判は実行された要素(例:ダブルアクセル)と難易度レベルを判定する。また、ルール違反の要素や転倒も特定し、転倒した場合は1点減点される。
要素が特定されると、審判団はその技術的な質を評価するために出来栄え点(GOE)を付与する。GOEはプラス5(優れている)からマイナス5(劣っている)までの尺度で評価される。スケーターがジャンプを完璧に着地すればボーナスが加算されるが、転倒や回転不足の場合は減点される。
各要素の公式GOEは、審判団が付与したGOEのトリム平均を計算することで決定される。プログラム全体の各要素に対する審判の得点を合計し、最終的な技術点を算出する。
演技構成点
技術的な要素を超えて、審判は3つのプログラム構成要素にわたって総合的なプレゼンテーションを評価するため、0.25~10点までの点数を付与する。
1. 構成:ISUは「あらゆる種類の動作のレパートリーを意図的かつ発展的、あるいは独創的に意味のある全体へと組み立てること」と定義している。審判は、スケーターのリンク全体の活用、振り付け、演技の一貫性や統一感を評価する
2. プレゼンテーション:これには音楽への明確な関与と献身が求められる。審判は卓越した表現力、音楽的なタイミング、そしてペアとアイスダンスではパートナー間の一体感と相乗的な連携を評価する
3. スケーティング技術:ブレードと身体をコントロールして、ステップ、ターン、動作を実行する能力を評価する。ペアとアイスダンスでは多様性、明瞭さ、調和が求められ、スケーターのバランス、流れ、力強さが評価される
フィギュアスケート採点へのAIの導入
ミラノ・コルティナ冬季五輪に向け、技術審判は大幅な強化が図られた。技術審判は依然として即時ビデオ録画を活用しているが、五輪公式計時(競技の時間計測)を務めるスイス時計メーカーのオメガは、スケーターを追跡する人工知能(AI)を導入した。AIはコンピュータービジョンを用いてジャンプの正確な回転を判定し、高さや滞空時間などを計測することで、人的ミスを低減する。この技術は、スキー、スノーボード、ボブスレーの審判にも活用される。
五輪の実際の計時業務はオメガと同じスウォッチ・グループ傘下のスイスタイミングが務める。同社のアラン・ゾブリスト最高経営責任者(CEO)は、あらゆるスポーツには異なるルールがあるものの、この技術は「それぞれの競技結果の公正性を守るために」開発されたと説明した。


