欧州

2026.02.09 09:00

ベラルーシが軍の戦闘準備態勢を検査 隣国ウクライナは警戒態勢に

ベラルーシ第11機械化旅団の兵士。2022年7月3日撮影(Getty Images)

ベラルーシ第11機械化旅団の兵士。2022年7月3日撮影(Getty Images)

ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、軍の水準を確保するため、自国軍の包括的な戦闘準備態勢検査の実施を指示した。この軍事演習で、ベラルーシ軍兵士はドローン(無人機)や電子戦を伴う訓練に参加し、自国基地の防衛を模擬するとともに、現代技術と装備を統合して防衛能力を強化し、潜在的な攻撃に備えて戦闘準備態勢を確保する。

現在の戦闘検査の進展を踏まえ、ルカシェンコ大統領は演習を今春まで継続すると発表。同国の予備役兵も、演習に参加するよう召集されている。

ウクライナ当局は隣国ベラルーシの戦闘準備検査を注視している。ルカシェンコ大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友で、ウクライナ侵攻でもロシア側を支援してきた。ウクライナ侵攻の初期段階で、ルカシェンコ大統領はロシア軍兵士がベラルーシ領内からウクライナ北部に向けてミサイル攻撃を実施することを許可した。ロシア軍の防衛装備品と弾薬も、ベラルーシを経由する鉄道網を通じて輸送された。さらに、ロシア兵はベラルーシの兵舎に駐留し、ロシア政府が資金提供する民間軍事会社ワグネル・グループの傭兵もベラルーシに駐留していた時期があった。

しかし、ウクライナ侵攻が進展するにつれ、ロシアはベラルーシでの物理的な存在感を縮小してきた。一方、ルカシェンコ大統領はプーチン大統領に対し、ロシア軍がベラルーシを「ロシア軍の集結地」として利用することを歓迎すると伝えた。

他方で、ルカシェンコ大統領はロシアを支援する意思を示しながらも、自国の兵力をウクライナでの戦闘に投入するには至っていない。プーチン大統領はルカシェンコ大統領に対し、ウクライナ侵攻にベラルーシ兵を派遣するよう説得を試みてきた。だが、ルカシェンコ大統領は要請を拒否し、自国に対する侵略行為があった場合にのみ兵士を派遣すると表明した。同大統領は、国内でウクライナ侵攻が不人気であることを理解しているようだ。実際、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)が実施した調査によると、ベラルーシ国民の大半はロシアによるウクライナ侵攻を支持していない。さらに同国民の大多数は、ウクライナへの自国軍の派遣の可能性に反対している。

ウクライナ侵攻に反対しているのは、ベラルーシの民間人だけではない。ベラルーシ軍では上級将校と兵士数十人が、自国政府がウクライナに侵攻するロシア軍の支援を決めたことに反対して辞任した。これらのベラルーシ人兵士の中には、ウクライナの防衛を支援する志願兵になるため、自国を離れた者もいる。

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翻訳・編集=安藤清香

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