資産運用

2026.02.07 14:23

AI主導の投資バブルは到来するのか──35年の経験から見る市場の兆候

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トーマス・H・ラギー(ChFC®、CFP®)、デスティニー・ファミリー・オフィス創業者兼CEO。

AI主導の投資バブルに陥っているのではないかと示唆する報道が数多く出ている。この業界で35年間働いてきた私の見解では、我々は確かにバブルへの道を歩んでいるが、実際にそれが到来するまでにはおそらくあと1、2年かかるだろう。投資家は適切に計画を立て、準備を整えておくべきだ。

全ての条件が揃いつつある

2025年は、AIが一般家庭にまで浸透した年だった。2026年は、AIがIPO(株式公開)の世界で爆発的に広がる年になるだろう。複数の企業が株式公開する可能性が高く、Anthropic(アンソロピック)、Databricks(データブリックス)、OpenAI(オープンAI)などについては既に憶測が飛び交っている。メタやアップルといった大手企業が、これらの主要AI企業の一部を買収しようとする可能性さえある。

同時に、投資家は「マグニフィセント・セブン」──エヌビディア、アルファベット(グーグル)、アマゾン、テスラ、マイクロソフト、アップル、メタ──における富、市場シェア、成長の高い集中度に注目している。これらの企業は過去5年以上にわたって市場を牽引してきた。バリュエーション(企業価値評価)は高く、一部では過大評価されている可能性もある。それでも、明らかなバブル領域というよりは、歴史的な範囲内に収まっている。これが、市場がまだ完全に制御不能な状態に陥っていないと感じられる重要な理由だ。

これらの企業は2026年を通じて市場を牽引し続ける可能性が高く、多くの人が予想するようにIPOパイプラインが開けば、市場は異なる動きを見せ始めるかもしれない。急激な成長の条件は整っており、そうなると通常、市場はリスクを正常に価格付けしなくなる。

SpaceX(スペースX)は、それがいかに急速に起こり得るかを示す一例だ。同社は報道によれば8000億ドルのバリュエーションで資金調達を行ったばかりで、2026年に1兆5000億ドルのバリュエーションでの株式公開を見込んでいるという。もしそれが実現すれば、スペースXだけでなく、他の著名なテクノロジー企業やAI企業に対する需要も膨大なものになるだろう。そうした需要は、ファンダメンタルズ(基礎的条件)が合理的に正当化できる水準を超えて価格を押し上げる可能性がある。

市場にはまだ過熱する余地がある。しかし、今後12カ月から24カ月が多くの人の予想通りに展開すれば、バブルの要素は急速に揃い始めるだろう。その時点で問題となるのは、バブルが崩壊する前にどこまで膨張できるかだ。そして崩壊した時、多くの投資家にとって極めて厳しい状況になる可能性がある。

だからこそ、いつものように、短期資金、中期資金、長期資金に明確に配分した分散投資戦略が理にかなっている。これは、ほとんどの投資家が抱える2つの最大の問題──取り残されることへの恐怖と強欲──を軽減するのに役立つ。感情に投資判断を左右されてはならない。賢明な戦略を立て、多様なポートフォリオを維持し、損失は起こり得るものだと理解することだ。好調な市場であっても、調整局面は避けられない。

私が注視していること

現政権を支持するにせよ批判するにせよ、同政権が明らかにAI、テクノロジー、暗号資産(仮想通貨)を推進していることは確かだ。それは最終的に暗号資産にとって好材料となるはずで、低金利の維持にもつながる可能性があり、経済にとっても好ましい。AI分野では、国家管理のAIと国家統制のAIには大きな違いがあり、その違いは影響を及ぼすだろう。

私がもう一つ注目しているのは、ウォーレン・バフェット氏の言葉を借りれば「根拠なき熱狂」だ。キャリアの中でいくつかのバブルを経験してきた私は、明確な警告サインがあることを知っている──例えば、2007年半ばにレストランのウェイターが「今日が最後の勤務日です。不動産業界に転職するので」と言うような状況だ。投機が当たり前に感じられ始めたら、警戒すべきだ。

マグニフィセント・セブンのバリュエーションや、テクノロジーとAIのバブルを生み出している投資の動向を引き続き注視すべきだろう。グーグルやアマゾンは、これらの非公開企業に大規模な投資を続けているのか、そしてその投資に対するリターンを得ているのか。新たな資金はまだ流入し続けているのか、そのペースは加速しているのか。

全てが非常に速く進んでいるように見える。私は毎日AIに関するメールダイジェストを受け取っているが、日々の進歩に追いつこうとするだけでもほぼ不可能だ。しかし、IPO活動の加速とAI技術の急速な進歩は、今後大きな市場変化が訪れることを示唆しており、来るべき事態に向けてポートフォリオを準備する時間的猶予は狭まっている。どれだけのリスクを許容できるかを決める最良のタイミングは、市場があなたにそれを強いる前なのだ。

forbes.com 原文

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