ヘルスケア

2026.02.08 09:00

健康のためにマルチビタミンを摂取すべきか? 必要性とリスクを医師が解説

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医学誌「米医師会紀要(JAMA)」によると、米国の成人のほぼ3人に1人がマルチビタミンのサプリメントを摂取している。だが、健康な米国人約40万人の医療記録を20年間にわたって分析したところ、マルチビタミンを毎日摂取した場合でも、がんや心臓病、脳卒中による死亡を防ぐ効果は認められなかった。本研究では、死亡リスクのみを主要評価項目として検討した。

では、これはマルチビタミンが健康に有益ではないということになるのだろうか? そうだとすれば、マルチビタミンを摂取すべき人は誰なのだろうか?

大多数の成人は通常、果物、野菜、タンパク質、脂質、穀物を含む健康的で栄養価の高い食事から、身体が正常に機能するために必要なすべてのビタミンとミネラルを補給している。栄養素は食品から摂取した際に最も効率良く吸収され、身体が正常に機能する能力に最大の効果をもたらす。とはいえ、誰もが健康的なバランスの取れた食事を毎日摂取できるわけではない。特定のグループに属する人は、マルチビタミンを定期的に摂取することで恩恵を受けるだろう。

栄養不足の人

体内のビタミン不足は特定の疾患を引き起こす可能性がある。例えば、小児がビタミンD不足に陥ると、くる病と呼ばれる状態になりやすい。これは骨が弱くなり、発育不良や骨の変形を引き起こすことがある。また、ビタミンCが不足すると、食事で果物や野菜を十分に摂取しなかった船員にかつてよく見られた壊血病になる可能性もある。壊血病の患者には倦怠感や歯肉炎、創傷治癒不良が見られることが多い。現代の米国ではくる病も壊血病もまれではあるが、何らかのビタミン欠乏症がある場合は、病気を予防するために治療する必要がある。

高齢者

加齢に伴い、必要な栄養も変化する。例えば、カルシウムやビタミンDなどの栄養素は骨の健康を維持し、骨粗しょう症の予防に不可欠だ。骨粗しょう症は骨密度の減少を特徴とする疾患で、罹患すると骨折しやすくなる傾向がある。閉経後の女性では、エストロゲンレベルが低下することで骨密度が自然に減少するため、骨粗しょう症のリスクが高まる。エストロゲンは骨形成を促進する重要なホルモンだ。閉経後の女性がマルチビタミンを摂取すると骨粗しょう症のリスクは低下するが、心血管疾患による死亡リスクが増加する可能性がある。高齢の患者は、自分に最適な治療法について医師に相談しよう。

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翻訳・編集=安藤清香

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