ベルファスト:「街の再生」を目指す都市
何より持続可能性を重視する都市という新たなアイデンティティを確立させようとしているベルファストは、いくつもの具体的なプロジェクトを推進している。その1つが、使用するエネルギーを100%電気とした先駆的な「ネットゼロ」の宿泊施設、客室数175の「ルーム2ホームテル」だ。
カフェバーにリサイクルガラスを使用しているほか、カーペットは廃棄された漁網、レセプションのデスクは回収されたペットボトルで作られている。
ロンドン南部サウスクロイドンにある建築金物を取り扱う企業のマネージングディレクター、ピーター・マグルトンは最近訪れたばかりだというベルファストについて、こう述べている。
「いたる所で電気バスやリサイクルボックスが目に入ることに、驚きました」「環境意識が低く、雑然とした都市の通りとは、まったく対照的でした」
訪れるべき都市?
持続可能性に関する取り組みが進んでいるこれらの都市のほとんどを訪れたことがある筆者から見て、これらの都市は全体的として、清潔で安全だ。そして、持続可能であることの価値を理解し、明確なビジョンを持つリーダーたちがいる。
だが、わざわざ航空運賃を払ってまで訪れるだけの価値がある都市だろうか?持続可能であることを象徴するマスコットがいるわけでも、「グリーンゾーン」などと名付けて指定し、住民の数を超えるほどの太陽光パネルが設置された地区があるわけでもない。
これらの都市で目にするのは、そうしたものよりもはるかに意義深いものだ。単に環境負荷を減らしただけでなく、本当により暮らしやすくなった都市生活の未来を、垣間見ることができる。前出のUNLVの教授、リーマンは次のように語っている。
「その他の都市のリーダーたちにとっては、採用されているソリューションのいくつかについて実際に見て学び、その成果を持ち帰ることができるすばらしい機会になるでしょう」
これらの都市は、ただ持続可能な都市になるための取り組みを行っているわけではない。都市としての自らを見直している。交通騒音を電気フェリーのモーター音に、排気ガスの悪臭を庭園の香りに、廃棄物処理の悩みを循環型システムの構想に置き換えている。
これは、電気バスの静かなモーター音や、データセンターから回収されて床暖房に使われる熱などによって気付くような、知らず知らずのうちに進んでいる革命だ。目には見えないかもしれない。だが、よりきれいな空気、よりゆったりとしたペース、思慮に富んだ都市構造から、それらに気づくことができるはずだ。


