オスロ(ノルウェー):「未来を体験」できる都市
自動車が目に入らないオスロの中心部は、都心部の騒がしさに慣れている旅行者たちの五感に、新たな刺激を与えることだろう。カーネギーメロン大学テッパー・スクール・オブ・ビジネスでオペレーションズ・マネジメント(OM)を教えるエヴェリン・ゴンは、オスロは「電動の公共交通機関」が占める割合を徐々に引き上げながら、自転車での移動が容易になるように市内の整備を進めてきたのだと説明する。
「こうした思慮に富んだ取り組みはいずれも、旅行者にとっては目を見張るような体験になるでしょう」
だが、何より驚くこと、筆者が実際にノルウェーを訪れて実感したことは、街なかの静かさだ。通りを渡る前には、本当にしっかりと左右を確認しなければならない。車の騒音がまったく聞こえないからだ。
専門家らは、先進国の大半の都市は近い将来、オスロのように騒音のない街になると予想している。オスロは訪れる価値のある街だろう。休暇を取ることが、「未来に足を踏み入れる」体験になる。
オールボー(デンマーク):「見えない循環」がある都市
英国の廃棄物管理会社のCEOであるベン・ジョンソンは、デンマークの都市、オールボーの道路や自転車レーンは「きっときれいなことだろう」と考えていた。だが、実際にその街を訪れたジョンソンが知ったのは、そこにある「目に見えない巧妙な仕組み」だった。
「住宅の暖房に、データセンターの廃熱が利用されているのです」
「旅行者としてそこに行くだけでは、決して気づかないでしょう。ですが、私がこれまで目にした中で、最もスマートなエネルギー循環の例のひとつです」
オールボーは、産業共生(インダストリアル・シンバイオシス)の先駆者といえる都市だ。ある企業の廃棄物が、別の企業の資源になっている。
その他の都市とオールボーを比べ、ジョンソンが強調するのは「目には見えないもの」だ。交通騒音がなく、あふれるほどのゴミもなく、余計なプラスチックの使用も見当たらない。ホテルの朝食のメニューには、CO2削減の取り組みに関する方針や、食材の産地についての記載がある。ジョンソンはさらに、次のように付け加えている。
「観光業のために、グリーンウォッシング(環境に配慮しているように装うこと)をしている街ではありません」「まずは住民のために、そして旅行者のために、システムを構築しています。そのことが、オールボーでの体験を特別なものにしています」


