ノルウェーの首都オスロで乗った「電気フェリー」から降りたとき、ダニエル・アンダーソンは当然、都市ならではの騒音が聞こえてくるものと思っていた。だが、不快な音が耳に入ってくることはなかった。
「一番驚いたのは、電気バスや低排出ゾーンでありませんでした。確かにそれらはクールですが──」
ロンドンで廃棄物処理会社を経営するアンダーソンはこのときのことについて、次のように語る。
「何より驚いたのは、自動車の市内中心部への乗り入れが政策によって禁止されていることでした。そのおかげで、市内では徒歩、または自転車に乗ることがほぼ当然になっています。排出量が削減されるというだけなく、都市での『体験』が他とは違っています」
これは、偶然の体験ではない。オスロ、そしてノルウェーの大半の地域は、未来志向の政策だけでなく、広範囲にわたって実現されている電化のおかげで、とても静かになっている。実際、ノルウェーで販売される新車はほぼすべてが電気自動車(EV)だ。
都市の持続可能性を評価する「Global Destination Sustainability Index(GDS-Index、グローバル・デスティネーション・サステナビリティ・インデックス)」によると、オスロはサステナブルな旅の目的地として注目される、数少ない将来有望な都市の1つだ。
デンマークの都市オールボーやオーストラリアのシドニーなど、サステナビリティにおいてリーダーシップをとろうとする都市による新たな波が押し寄せている。2026年に訪れるべきといえるのは、そうした都市かもしれない。
サステナビリティ専門のストラテジストでもある米カリフォルニア州のプレシディオ大学院の教授、ジェニファー・カプランは、次のように述べている。
「こうした都市は、EVへの転換や街なかの清潔さ、循環型経済の実践などを通じた観光の振興だけでなく、サステナブルであることを日常生活の一部として取り込んでいます」
「それは、旅行者にとっては自動車以外の交通手段、街なかの歩きやすさ、そして良いとされる行動が同時に心地良い行動でもある環境を体験することになります」
──以下、まだ数が少ないとされる5つの「新興」のサステナブルな都市を紹介する。



