北米

2026.02.11 14:00

年初から上昇傾向、投資を検討すべき「レアアース銘柄」5選 注目点とリスクを探る

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4. クリティカル・メタルズ(CRML)

クリティカル・メタルズ(CRML)は、グリーンランド南部のタンブリーズ(Tanbreez)と呼ばれる、重希土類を豊富に含む鉱床の開発プロジェクトを進めている。同社は最近、グリーンランドのカコルトックで多目的ストレージ施設とパイロットプラントの建設を開始した。パイロットプラントは2026年5月までに稼働する予定だ。

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タンブリーズでは、将来の生産分をあらかじめ買い手が引き取ることを約束するオフテイク契約を通じて、計画生産量の約75%の販売先をすでに確保している。残る契約についても2026年初頭までの締結を目指している。同社は、米国輸出入銀行(EXIM)から1億2000万ド(約184億円)の非希薄化型資金を確保した。これは株式の希薄化を伴わずに事業資金を調達できる点で大きな意味を持つ。加えて、ルーマニアの国有機関との精製事業に関する合弁事業を含め、川下分野での統合を進めるための新たなパートナーシップの可能性も探っている。

なぜクリティカル・メタルズ(CRML)が検討すべき選択肢なのか

CRMLの株価は2026年初頭、トランプ政権がグリーンランドの取得に再び関心を示したことを受けて急騰し、年初来で100%を超える上昇を記録した。こうしたグリーンランド取得をめぐる発言は投機的な熱狂を生んでいるが、投資の本質は、タンブリーズ鉱床に集中する重希土類にある。これらは、西側諸国にとって安定した供給源がほぼ存在しない元素だ。

重希土類は価格が高く、防衛用途における戦略的重要性も大きい。EXIM銀行からの資金調達は、事業の信頼性と資本効率の両面を支えており、オフテイク契約の存在は商業的な成立可能性を裏付けている。ただし、地政学的な要素は諸刃の剣でもある。米国とグリーンランドの関係が深まれば、クリティカル・メタルズの戦略的価値は高まるが、デンマークとの緊張が続けば、プロジェクトの遂行には逆風となりかねない。

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直近の株価変動は参入機会を生んでいるものの、投資家は投機的な材料と事業面のリスクを慎重に見極める必要がある。グリーンランドが西側諸国のレアアース戦略で果たす役割に強気で、かつフロンティア市場としての鉱山開発リスクを受け入れられる投資家にとって、CRMLは事業の進捗と地政学的展開の双方に連動した、上振れ余地の大きい銘柄といえる。

5. ニオコープ・ディベロップメンツ(NB)

ニオコープ・ディベロップメンツ(NB)は、ネブラスカ州南東部でエルククリーク重要鉱物プロジェクトを進めている。同プロジェクトでは、ニオブ、スカンジウム、チタンの生産を計画しており、レアアースについても将来的な生産可能性を視野に入れた評価が進められている。すでに3億6000万ドル(約551億円)の株式による資金調達を確保しており、直近ではマイン・ポータル・プロジェクトが取締役会で承認された。建設は2026年第1四半期に着工する見通しだ。

また、NBはFEAマテリアルズから、製造設備と知的財産を840万ドル(約12億9000万円)の現金取引で取得した。これにより、防衛分野や商業用途で需要拡大が見込まれるアルミニウム・スカンジウム合金のマスターアロイを生産できる体制を整えた。エルククリーク計画については、ネブラスカ州の州政府関係者や米国輸出入銀行(EXIM)の会長が、米国における重要鉱物開発の理想的な事例として言及するなど、地元および連邦レベルでの支援も厚い。

なぜニオコープ・ディベロップメンツ(NB)が検討すべき選択肢なのか

NBは、純粋なレアアース銘柄というよりも、重要鉱物全体に分散したエクスポージャーを提供する存在だ。ただし、その位置づけは、防衛や先端製造業に不可欠な鉱物の戦略的重要性を反映したものといえる。同社が注力するニオブやスカンジウムは、米国内での生産が限られており、レアアースにとどまらない連邦政府のサプライチェーン優先政策と合致している。

最近では、アナリストによるカバレッジが新たに始まり、買い判断とともに1株あたり約12ドルの目標株価が示されている。これは、現在の株価水準から大きな上昇余地があることを示唆する。マイン・ポータル・プロジェクトは、構想段階から建設段階へと移行する明確な節目となる案件だ。FEAマテリアルズの買収によって川下分野への展開も進み、原材料の供給にとどまらず、付加価値を取り込める体制が整った。

フリーダム・キャピタル・マーケッツは、政府支援の厚さ、質の高い資産、そして長期的な収益の見通しを評価し、同社のカバレッジを開始した。重要鉱物全体をテーマに投資しつつ、レアアースの将来オプションも視野に入れたい投資家にとって、NBは連邦政府の後押しを受けた「着工可能な」プロジェクトを抱え、2026年の建設開始や生産スケジュールをめぐる明確な材料を備えた銘柄といえる。

価格変動のリスクを乗り越え、長期的な戦略的利益につなげる

レアアース関連株は、地政学的緊張や政府の産業政策、そしてテクノロジー需要が交差する中で、2026年における最も注目度の高い投資テーマの1つとして浮上している。ただし留意すべき点として、レアアース株は価格変動が大きく、投資回収までに時間を要するケースが多い。

本稿で取り上げた5銘柄には、すでに生産実績を持つ企業から、事業立ち上げ段階にある開発企業までが含まれており、それぞれが構造転換の途上にあるこの分野に対して異なる形のエクスポージャーを提供している。

紹介した5社は異なる強みを持ち、中国依存からの脱却を後押し

MPマテリアルズは規模と操業の確実性を備えた存在であり、USAレアアースとクリティカル・メタルズは、政府との連携や地政学的な材料に連動した大きな上振れ余地を持つ。アメリカン・リソーシズは、業界における最も戦略的なボトルネックである精製分野へのエクスポージャーを提供し、ニオコープは周辺の重要鉱物を含めた分散効果をもたらす。

このセクターには高い価格変動性と事業遂行リスクが伴うが、米国のサプライチェーンの自立や重要鉱物の戦略的重要性に強気な投資家にとって、これらの銘柄は、レアアースの生産・加工における中国依存からの脱却という数年単位の転換から恩恵を受けるポジションをポートフォリオにもたらす可能性がある。

その機会は、市場全体よりも大きな価格変動を伴うため、短期的な変動を許容しつつ、長期的な戦略的リターンを狙える忍耐強い投資家に適した領域といえる。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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