起業家

2026.02.06 17:00

31万円を元手に「ジュエリービジネス」を立ち上げ、売上高270億円に育てた女性起業家

ニコール・ウェグマン(写真左)Photo by Bryan Bedder/Getty Images for YSE Beauty

年間売上高は約176億円に、著名人や特別な注文にも対応

それから約13年が経った現在、リング・コンシェルジュの年間売上高は1億1300万ドル(約176億円)に達した。フォーブスは、同社の現在の事業価値を1億7500万ドル(約273億円)と試算している。リング・コンシェルジュは、金価格の高騰で利益率が圧迫された2024年を除き、毎年黒字を維持してきた。現在は、金やプラチナといった貴金属や、ダイヤモンドなどの宝石を用いたファインジュエリーが売上の80%を占め、ブライダル向けが残りの20%を占めている。

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リング・コンシェルジュは、婚約指輪や離婚を記念する指輪のほか、幅広いファインジュエリーをデザインしている(顧客にはオリビア・カルポやヘイリー・ビーバー、シモーネ・バイルズといった著名人も名を連ねる)。オーダーメイドの要望も多岐にわたり、家族から受け継いだダイヤモンドを新たな指輪に仕立て直す依頼から、宇宙船内でのプロポーズに向けて指輪のバンドにムーンストーンを埋め込むといった特別な注文まで手がけてきた。

こうした個人的で、しばしば感情的な意味合いを帯びる要望への対応こそが、リング・コンシェルジュが提供するサービスの核となっている。ウェグマンは、複雑で男性中心になりがちなダイヤモンド業界を理解するため、米国宝石学会(GIA)の講座を受講した。また2人のメンターを迎え入れ、事業開始から最初の2年間に販売したすべての指輪について利益を分け合う条件で、専門知識の共有や仕入れ先の紹介を受けた。

リング・コンシェルジュは2017年、婚約指輪以外のジュエリー展開を開始すると同時に、自社サイトでのEC販売にも乗り出した。同社の社名は、指輪専門の印象を与えるが、ウェグマンによれば、最も売れている商品は1000ドル(約16万円)で販売されている「ミニ・ダイヤモンド・テニスブレスレット」だという。次いで人気なのは、2500ドル(約39万円)の「クラシック・ダイヤモンド・テニスブレスレット」と、1700ドル(約27万円)の「クラシック・ダイヤモンド・スタッズ」だ。

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ミレニアル世代の女性を顧客に据えた「手の届くラグジュアリー」

ウェグマンは、ミレニアル世代の女性を主な顧客とする「手の届くラグジュアリー」こそが、自社にとって最適なポジションだと考えている。「我々は次のティファニーやハリー・ウィンストン、カルティエを目指しているわけではない」と彼女は語る。

インスタグラムを活用し、「誰が作り、誰が売っているのか」という透明性を成長につなげる

ウェグマンはまた、ブランドの成功の大きな要因として、競合他社が本格的に活用する前からインスタグラムに注力してきた点を挙げる。彼女自身がブランドの顔として登場することも多いそのSNS戦略は、事業の自然な成長を後押しするとともに、顧客との信頼関係を保てている点が強みだと彼女は考えている

「誰が作り、誰が売っているのかが分かり、その価値観や美意識に共感できることが大切だ」とウェグマンは話す。そうした透明性が、現在の成長につながっているという。

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翻訳=上田裕資

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