起業家のニコール・ウェグマンは、女性が婚約指輪選びで直面する煩雑さを解消するため、2000ドル(約31万円。1ドル=156円換算)の元手でジュエリービジネスを立ち上げた。彼女が設立したRing Concierge(リング・コンシェルジュ)は現在、年間売上高が1億ドル(約156億円)を超える企業に成長した。2.9秒に1個の商品を販売しているという。
指輪選びの過程で感じた不満と、男性中心の業界への違和感
ウェグマンは、将来花嫁になる多くの女性と同様に婚約者とともに、理想の婚約指輪を探し続けた。しかし、数カ月にわたるその過程で、不満を感じることも多かった。ニューヨークの問屋街、ダイヤモンド・ディストリクトに足を運んだ彼女は、自分好みのカットやカラーの指輪を見つけられなかったわけではない。
ウェグマンが違和感を覚えたのは、指輪選びを取り巻く一連のやり取りそのものだった。最終的に彼女は、4.5カラットのオールドマインカット・ダイヤモンドをあしらったアンティークの指輪を、同地区にある小さなブティックで見つけた。
「その指輪は、女性らしさと個性を感じさせるもので、何より店主が女性だったことに惹かれた。男性ばかりの業界の中で、彼女は親切で、信頼できる人に思えた」とウェグマンは振り返る。
約31万円の資金で起業、当初は手数料約10パーセント
当時26歳だったウェグマンは、自分と同じ思いの女性が少なくないはずだと感じていた。2013年に自身の結婚式を終えた後、彼女は、自らが求めていたサービスを提供する側に回ることを決意した。コーネル大学でアパレルデザインを学んだニューヨーク出身のウェグマンは、自身が苦い経験をしたのと同じダイヤモンド・ディストリクトで、宝飾店のバックルームを借り、友人や知人の女性に指輪選びの助言を始めた。
数カ月が経つと、ウェグマンはそれが事業になり得ると確信した。それ以前に、メイシーズでの商品開発や高級百貨店ブルーミングデールズでのバイヤー職を短期間経験していた彼女はその年、2000ドル(約31万円)の資金を投じて自身の会社、リング・コンシェルジュを正式に立ち上げた。当初は、石の調達や指輪のデザインを請け負い、手数料として約10%を受け取っていた。
「婚約指輪の仕事で、ブルーミングデールズ時代と同じ収入を得られれば十分だと考えていた。当時は、その程度の目標しか描いていなかった」とウェグマンはフォーブスに語る。彼女の事業は、口コミとSNSを通じて自然に広がり、数年後にはジュエリーの自社生産にも乗り出した。



