気候・環境

2026.02.06 10:30

中国、電力消費が増加しながら炭素排出量は減少 大きな転換点か

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炭素排出量を増やさずに成長する経済

中国経済は依然として成長を続けている。過去に比べると不均一で緩やかな伸びではあるが、それでも成長は続いている。それに伴い、電力需要も増加した。しかし、石炭火力発電は同じ軌道をたどってはいない。

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つまり、中国は炭素排出量の増加を伴わずに大規模な工業経済を拡大することができるかどうかを検証する試験台となっているのだ。産業成長が成熟した後に炭素排出量を削減した先進国とは異なり、中国は発展途上で、はるかに大規模な排出削減を試みている。

中国国家発展改革委員会エネルギー研究所の姜克隽博士は仏国営ラジオRFIに対し、「私たちは太陽光発電だけでなく、風力発電、太陽熱エネルギー、原子力など、中国の技術の進歩について研究している」と語った。同国が再生可能エネルギーを推進する理由は、気候変動対策と同様、大気汚染への懸念によるところが大きい。中国商務省は、生活様式と経済機会の両面から同国に引きつけられ、100万社以上の多国籍企業が進出していると強調した。

中国の炭素排出量の推移は戦略的な影響も伴う。同国は太陽光パネルやバッテリー、EVの製造で優位に立っており、国内展開が国際市場での力を強化している。国内の炭素排出量を削減する政策が海外の供給網を再編し、世界中で再生可能エネルギー技術の費用を下げる一方で、貿易摩擦を引き起こしている。中国は国内の炭素排出削減に取り組むだけでなく、他国での脱炭素化を可能にする技術の開発と輸出も進めている。これにより、製造業の雇用と利益を確保している。

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他方で、転換点を宣言するには時期尚早だと警告する懐疑的な見方もある。中国の炭素排出量増加は、産業再編が進んだ15~16年、そして新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が続いた20年に減速または減少したが、景気刺激策で建設業と重工業が復活すると再び増加に転じた。

石炭問題と逆戻りのリスク

中国の不動産部門は依然として低迷しており、鉄鋼とセメントの生産は低調で、地方政府は大規模な社会基盤整備計画の立ち上げに慎重な姿勢を示している。産業活動の減速は、エネルギー構成に関わらず炭素排出量を削減する。問題は、重工業が回復したとしても、再生可能エネルギーの成長が現在、逆戻りを防ぐのに十分な強さを持っているかどうかだ。

フィンランドのシンクタンクCREAは25年12月、中国では炭素排出量が再び増加する恐れがあると報告。炭素排出量が18カ月間横ばいまたは減少傾向にあることを認めつつも、石炭使用量の急増については懸念を示した。

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翻訳・編集=安藤清香

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