気候・環境

2026.02.06 10:30

中国、電力消費が増加しながら炭素排出量は減少 大きな転換点か

Getty Images

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中国では電力需要が増加し続けているにもかかわらず、二酸化炭素排出量が減少した。このような現象は前代未聞だ。この傾向が持続すれば、経済成長は必然的に炭素排出量の増加をもたらすという、気候経済学における最も根強い前提の1つに疑問を投げかけることになるだろう。

複数の独立系調査機関によると、電力消費が増加しているにもかかわらず、中国の炭素排出量は2024年初頭以降、横ばいまたは減少している。この変化は主に再生可能エネルギーの急増と電気自動車(EV)の急速な普及によるものだが、ここで大きな疑問が生じる。世界最大の炭素排出国である中国は、一時的な排出量の落ち込みではなく、ついに構造的な転換点に達したのだろうか?

ノルウェーのシンクタンクCICEROのグレン・ピーターズ教授は、中国をはじめとする発展途上国では、太陽光や風力発電、EVの導入が驚異的な速度で進められていると指摘する。中国のクリーンエネルギーの拡大はもはや周辺的な存在ではない。同国は2024年、世界の他の地域の合計より多くの風力・太陽光発電の容量を追加し、再生可能エネルギー発電の成長が電力需要の伸びを初めて大幅に上回った。これは、新たな電力需要の大部分が石炭ではなく再生可能エネルギーによって賄われていることを意味する。

この変化は偶然に起きたものではない。実際、中国清華大学の关大博教授は、同国では再生可能エネルギーが、経済成長と炭素排出量との長年の関係を実質的に変えるほどに成長したと説明する。初期の段階では、再生可能エネルギーの成長は電力システム全体に影響を与えるほど大きくはなかった。しかし今日では電力需要が増加した場合でも、化石燃料を置き換えるのに十分な規模にまで成長している。

この変革は電力分野を超えて広がっている。中国では現在、新車販売の過半数をEVが占めており、これにより石油需要の伸びが鈍化している。使用量の増加によって相殺される可能性のある効率性の向上とは異なり、電化はガソリンとディーゼルの消費を恒久的に置き換える。この区別は極めて重要だ。経済成長の鈍化により、燃料需要は一時的に抑制されることがある。対照的に、技術の代替は長期的な消費パターンを変える。

国際エネルギー機関(IEA)は、中国の輸送電化が今や世界の石油需要の伸びを抑える大きな要因となっており、経済活動が加速してもこの傾向が逆転する可能性は低いとみている。同機関の報告によると、23年の世界のEV販売台数の6割を中国が占めた。

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翻訳・編集=安藤清香

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