経営・戦略

2026.02.05 11:30

米紙ワシントン・ポストが人員削減、ベゾスは約1年間沈黙を続ける

Chip Somodevilla/Getty Images

Chip Somodevilla/Getty Images

報道によれば、ワシントン・ポストは、長年にわたる編集部内の混乱と財務状況の悪化を背景に、大規模な人員削減を実施するという。同紙のオーナーであり、かつては公然とワシントン・ポストを支持してきた億万長者のジェフ・ベゾスは、この組織の将来について、約1年にわたり沈黙を保ち続けている。

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ニューヨーク・タイムズによれば、ワシントン・ポストの編集主幹であるマット・マレーは、「大幅な人員削減を伴う包括的な戦略的リセット」を行うと編集部員に伝えた。この措置は、スポーツ部門、国際部門、地域報道部門を劇的に縮小させる見通しで、ワシントン・ポストは800人規模で運営されていた編集部から300人を削減したという。

ベゾスが同紙の財務状況について最後に言及したのは13カ月前の2024年12月4日で、ニューヨーク・タイムズ主催のカンファレンスにおいて、「私たちは1度ワシントン・ポストを救った。今回が2度目になる」と語り、「再び健全な基盤に戻す必要がある」「多くのアイデアを持っている」と付け加えた。

ベゾスはまた、「利害衝突の見え方という観点で言えば、私はワシントン・ポストにとって最悪のオーナーだ」とも述べていた。

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ベゾスはかつて、ワシントン・ポストの編集部に頻繁に姿を見せ、幹部編集者と面会し、自身の考えを共有する存在として知られていた。しかし近年では、オーナーとしての役割から距離を置いているように見え、相次ぐ人員削減や編集部内の混乱の中でも沈黙を保ってきた。一方で、2024年の米大統領選挙において、カマラ・ハリスを支持する社説の掲載計画を撤回させるなど、紙面に対する影響力を行使してきた。

2025年2月、ベゾスは論説欄の刷新を発表し、「私たちは2つの柱、すなわち個人の自由と自由市場を支持し、擁護する文章を毎日書いていく」とXに投稿した。この方針は、同紙によるドナルド・トランプ大統領への批判を弱める可能性があると周囲に受け止められた。

これらの判断は広く批判を招き、報道によれば、数十万人規模の購読者離れにつながったという。

元ワシントン・ポスト編集主幹のマーティ・バロンは声明で、「購読者はベゾスの経営に対する信頼を失い、編集部の優れたジャーナリズムにもかかわらず、ワシントン・ポスト全体への信頼も失った。同様に、ワシントン・ポストの多くの著名な記者たちはベゾスへの信頼を失い、他の報道機関へと移っていった。事実上、追い出されたのである。トランプ大統領に取り入ろうとするベゾスの不快な行動は、特に醜い汚点を残した」と記した。さらに、「これは、ほぼ瞬時に起きた、ブランドの自己崩壊に関するケーススタディである」と断じた。

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翻訳=江津拓哉

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