政府は現在の経済状況を緩和しようと試みているが、こうした取り組みでは問題に対処できないと指摘する向きもある。世界銀行の報告書によると、ロシアの25年の経済成長率はわずか0.9%にとどまった。同国の23年と24年の経済成長率は4%だった。26年のロシアの経済成長率予測はわずか0.8%だ。世界銀行は、緊縮財政、民間信用の縮小、労働力不足による生産の停滞といった「戦争による歪んだ経済」がロシアの景気後退の原因となっていると指摘した。
ウクライナへの軍事侵攻に対し、西側諸国がロシアに科した制裁も同国の経済低迷の一因となっている。米シンクタンク大西洋評議会によると、ロシアは西側の経済制裁により数百億ドルの損失を被っている。ロシアが2022年にウクライナ侵攻を開始して以降、1000社以上の外資系企業がロシアから撤退しており、同国の収入減少に拍車をかけている。その結果、ロシアは経済を維持するために天然資源の輸出と防衛産業の運営に大きく依存してきた。だが、西側諸国による追加制裁により、ロシアのエネルギー収入は減少している。
ウクライナ侵攻は、ロシアの労働力と生産にも影響を与えている。これまでに、数十万人もの労働者がロシア軍に徴兵された。工場や企業などから人材が流出したことで、ロシアでは労働力不足が生じている。ウクライナ侵攻から帰還した数万人のロシア人兵士は重傷を負っており、再就労を妨げている。前線での戦死者も労働力不足の要因となっている。こうした状況により、ロシア国内で生産・提供される商品やサービスが減少し、国家の歳入も縮小している。
全体として、ロシア財務省と世界銀行が公表したデータは、ロシア国民が今後の困難な財政状況に備えるべきであることを示唆している。プーチン大統領はロシア経済が減速していることを認めており、マクシム・レシェトニコフ経済発展相も以前、同国が既に「景気後退の瀬戸際」にあると警告していた。こうした懸念から、ロシア政府は現在および今後の経済的課題の影響を軽減するため、増税に踏み切った。
経済予測で確かなことは何もなく、ロシアが26年に景気後退に陥るかどうかを断言できる者はいない。経済学者やロシア情勢の専門家らは、同国の経済が今後どのような展開を見せるのかに関心を寄せている。


