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2026.02.05 12:00

データセンター建設競争で「ビットコイン採掘業者」が思わぬ恩恵を受けている理由

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ChatGPTが2022年に劇的に登場してから、AI(人工知能)はSF(サイエンス・フィクション)の世界から現実へ移行した。多くの人にとって、AIはもはや不可欠なものになっている。

変化のスピードは速い。いまではほとんどの企業が生成AIを自社のビジネスモデルに組み込もうとしており、各国政府も自国の利益に沿うソブリン(主権)AI向けのインフラ構築を急いでいる。

ウォール街もこの動きを注視しており、テクノロジーシフトを支える企業に惜しみのない評価を与えてきた。JPモルガンによると、S&P500種株価指数の2022年以降のリターンのうち、65〜75%は生成AI関連のわずか42社によって生み出されている。

AIの急成長は、画像処理半導体(GPU)を活用するデータセンターの能力をめぐって激しい競争を引き起こしている。それに関連する数字は驚くべきものだ。ゴールドマン・サックスは、データセンターの電力使用量は2030年までに175%増えると予測している。デロイトによると、米国でのAI向け電力需要は2024年の4ギガワットから2035年には123ギガワットに拡大する見通しだ。これは9000万〜1億世帯を賄える電力量に相当する。

時間のかかるデータセンター新設、「助っ人」はマイニング業者

だが、ここに落とし穴がある。AIを支えられる「Tier 3」レベルのデータセンターの建設には、実は何年もかかる可能性があるのだ。用地取得、ゾーニング(用途ごとの区域設定)、許認可、変電所の建設などを考慮すると、従来のような開発スケジュールではとても需要に追いつけない。

そこで頼りにされているのが、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング(採掘)業者だ。

筆者が執行役会長を務めるハイブ・デジタル・テクノロジーズを例に取らせていただきたい。わたしたちはこれまでに、カナダ、スウェーデン、アイスランドの施設にASIC(特定用途向け半導体)を大量に導入してきた。とはいえ、構築してきたのはたんなる「ビットコイン工場」ではない。産業用グレードのインフラ、冗長化された電力システム、低コストの再生可能エネルギーへのアクセスを備えた、適応可能なデジタルパワーの「シェル(外殻)」を用意している。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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