経営・戦略

2026.02.05 12:30

テスラ、再び太陽光発電に再び向き合う 純利益61%減を経て描く戦略の意図

Smith Collection/Gado/Getty Images

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テスラの2025年第4四半期決算で純利益が61%急減したことについて、イーロン・マスクは、同社は今後、電気自動車(EV)メーカーではなく「フィジカル」AI企業として捉えられるべきだと強調した。これは同社が、電動ロボタクシーやヒューマノイドロボットへの大きな転換を進めているためだという。

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この方針を裏付ける形で、マスクは200億ドル(約3兆1300億円)の設備投資を行うと表明した。興味深いことに追加の発表として、テスラが再び太陽光パネルの大手を目指す意向も明らかにされた。この分野は、約10年前にマスク主導で行われ、物議を醸したソーラーシティ買収の後、勢いを失っていた事業である。

億万長者のマスクは、多くの新規投資について説明する中で、「我々は太陽電池の重要なメーカーにもなる」と述べ、自社製AI半導体の製造と並行してその戦略を進める考えを示した。

これは意外な発言である。ソーラーシティ買収で取得したニューヨーク州バッファローの工場は、そこでソーラーの屋根を大量生産するという計画が失敗に終わって以降、稼働率が極めて低い状態が続いてきたからだ。ソーラーの屋根自体はいまも生産されているが、その数量は少なく、コストは割高だ。その一方で、報道によれば、テスラはバッファローで製造した新しい太陽光パネルの製品ラインを発表し、先日ロサンゼルスにあるテスラ・ダイナーで全米向けの販売を開始したという。

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テスラは、太陽光発電システムで生み出された電力を蓄えるバッテリーの販売では好調な成長を遂げてきたが、太陽光パネル自体については他社製品に依存してきた。特に、かつて太陽光パネル分野におけるパートナーであったパナソニックが2020年にバッファロー工場から撤退して以降、その傾向が強まっていた。太陽光パネルの自社生産に回帰する今回の動きは、電力需要の急増と電気料金の上昇によって完全に後押しされている。

「太陽光の機会は過小評価されている」とマスクは説明会で語った。「だからこそ、原材料から太陽光パネルの完成品に至るまで、サプライチェーン全体を統合し、年間100ギガワット相当の太陽電池を生産することを目指す」

もしこの水準に到達すれば、極めて大きな増加となる。テスラは2025年や2024年に、太陽光パネルやソーラーの屋根などの太陽光発電設備をどれだけ設置したかについては開示していない。最後にそれを報告した2023年には、わずか223メガワット相当にとどまっていた。また同社は過去10年間で、48万世帯に合計約4ギガワット分のソーラーの屋根を設置したとも主張している。

テスラはもはや世界最大のEVメーカーではなく、少なくとも現時点では、ロボタクシーや自動運転技術の分野でもリーダーの位置にはいない。しかしその一方で、太陽光パネルとバッテリー蓄電システムへの需要に賭ける判断は、極めて理にかなっているように見える。

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翻訳=江津拓哉

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