テキサス州は電力供給を支えるバッテリーと送電網を強化
テキサス州は、5年前に厳しい寒波の影響で送電網の大部分が機能不全に陥り、大きな電力不足を経験した。では、直近の大寒波ではどうだったのか。テキサス大学ウェバー・エナジー・グループ所長のマイケル・ウェバーは以下のように語っている。
「2021年と比べて、今回は3つの点が違う。第一に、非常に重要な点として、嵐自体がそこまで深刻ではなかった。気温はそれほど下がらず、寒さが続いた期間も短く、冷え込みの度合いも穏やかだった。第二に、この5年間で多くのバッテリーと太陽光発電設備が導入された。太陽光とバッテリーという観点で見れば、5年前と比べて資源の状況は大きく変わっている」
「第三に、電力インフラの冬季対応に対し、立法上の圧力があった。そしてそれが実行された。嵐がそれほど厳しくなかったため、ガス供給システムも深刻には凍結しなかった。2021年にはその50%が凍結したが、今回は11%程度だった。そのため、ガス供給システムの障害も、以前ほど劇的なものではなかった。電力も同様で、今回はほとんど問題は起きなかった。太陽光とバッテリーが増えたこと、そして冬季対応が進んだことが大きい」
「結果として、今回の嵐は問題なく乗り切れた。氷が木に付着したことなどによる局地的、限定的な停電はあったが、送電網全体に及ぶ重大な資源不足はなかった」
テキサス州外の近隣州、アーカンソー、テネシー、ミシシッピでは問題が起きたが、それらの電力システムはどうだったのか。
「彼らのシステムは、より厳しい状況に置かれた。嵐による直接的な影響をより強く受けたからだ。特にテネシー州ナッシュビルやフランクリン、ミシシッピ州オックスフォードは大きな被害を受けた。問題の本質は、単純に氷が多かったことだと思う。氷は送電線など、電力システムにおいては強敵になるからだ」
分散型蓄電設備や、大規模な電力会社向け蓄電設備という点で、これらの近隣州はテキサス州ほど整備されているのか。
「そこまで整ってはいない。分散型蓄電設備は、実質的にはテキサスとカリフォルニアの話だ。私たちは他の地域よりも準備ができており、それが大きな助けになった。蓄電設備の利点は、その設置場所にある。顧客や実際に電力が使われるところに近い場所にあるからだ。一方で、太陽光発電所は遠隔地にあることが多いが、バッテリーは近くにある。システムが氷で覆われるような状況では、これがレジリエンス(回復力)という観点における大きな利点になる」


