経営・戦略

2026.02.04 10:30

史上最大の人員削減を発表したアマゾン、だが「AIが職を奪う論争」とは無関係

Sven Hoppe/picture alliance via Getty Images

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アマゾンは2025年10月以降に、3万人の従業員を削減した。これは同社の31年の歴史の中で最大規模の人員削減である。この削減は2026年1月26日に始まり、5月まで続く予定だ。

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このレイオフを受け、ある意味では予想通りの物語が広がっている。すなわち、ついにAIによる労働者の置き換えが大規模に始まった、という見方である。このアマゾンの人員削減を、「高コストな管理職層を、高マージンのコードに置き換える」ことで企業は成長できるという証拠だと位置づける主張は、一見すると説得力がある。

しかし、問題が1つある。アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、実際に起きていることはそれではないと述べているのだ。

CEOが実際に語ったこと

2025年10月30日に行われたアマゾンの第3四半期決算説明会で、ジャシーはレイオフについて直接言及した。その説明は極めて明確だった。

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「数日前に発表した内容は、実際には財務主導のものではなく、また、少なくとも現時点ではAI主導のものでもない」とジャシーはアナリストに語った。「これはカルチャーの問題だ」

ジャシーは、今回の人員削減の原因はパンデミック期の過剰採用だとした。アマゾンのコーポレート部門の従業員数は、2017年から2022年にかけて約11万7000人から35万人へと3倍に増加した。事業拡大の過程で、意思決定を遅らせる管理職層が積み重なったという。

「数年にわたり我々のようなスピードで成長すると、事業規模、人員数、拠点数、事業の種類が増え、以前よりも多くの人と階層を抱えることになる」とジャシーは述べた。「気付かないうちに、実際に仕事をしている人たちのオーナーシップを弱めてしまうことがある」

1月のレイオフについては、アマゾンで人材エクスペリエンスおよびテクノロジー担当上級副社長を務めるベス・ガレッティも、同様の文脈で語っている。彼女の声明では「階層の削減、オーナーシップの強化、官僚主義の排除」が挙げられ、AIへの言及は一切なかった。

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翻訳=江津拓哉

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