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2026.02.04 12:30

中国勢がほぼ独占、オープンモデルAIを巡る競争に米新興Arcee AIは食い込めるか

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OpenAIのGPT 5.2やグーグルのGemini 3と並ぶオープンモデルの構築が目標

現在、従業員30人のArceeは規模拡大を急いでいる。関係者によれば、OpenAIのGPT-5.2やグーグルのGemini 3といった最先端のクローズドモデルとの格差を埋める狙いで、1兆を超えるパラメータのオープンウェイトモデルを学習させたい考えだ。

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モデル開発と並行して、Arcee AIは企業向けおよび政府向けビジネスも強化する意向だ。同社は、顧客が自社の専有データを使って、Arceeのオープンウェイトモデルを継続的に学習させられるプラットフォームを構築する計画である。Arceeは投資家候補に対し、この手法が、クローズドシステムの「ブラックボックス」な経済モデルよりも透明性と制御性を高めると説明している。

Pitchbookによれば、Arceeはすでに投資家から3000万ドル(約47億円)を調達している。内訳は、サウジアラビアのアラムコ、マイクロソフトのM12 Ventures、サムスンのSamsung NEXT Ventures、Emergence Capital Partnersなどだ。

中国は、オープンウェイトモデルを開発する研究所への補助金を積極的に拡充

中国の競合と同様に、Arceeはモデルをオープンウェイトとして公開している。これは、パラメータ(重み)を公開する一方で、学習データセットは非公開に保つという方式だ。この方式は、中国のDeepSeekが、欧米よりはるかに低コストで学習したと報じられる高性能モデルで、1年前にAI市場を揺さぶって以降、勢いを増してきた。ただし、DeepSeekの衝撃は長続きしなかった。エヌビディアは1日で時価総額が6000億ドル(約93兆円)失われたが、AI専門家の一部が中国の研究所は実際には米国の最先端モデルを上回っていないと主張した後、数週間で回復した。

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それ以降、中国はオープンウェイトの基盤モデルを開発する研究所への補助金を積極的に拡充してきた。記事執筆時現在、チャートの最上位にいるのは、Moonshot AIの「Kimi K2.5」モデルである。Moonshot AIは、現在、企業価値が43億ドル(約6665億円)と報じられている中国のAI研究所だ。競合のZ.aiとMiniMaxは、今月上旬の香港での新規株式公開(IPO)で、それぞれ5億5800万ドル(約865億円)と6億2000万ドル(約961億円)を調達した。

米国の巨大テック企業は後退傾向

一方、米国の巨大テック企業は後退しているように見える。かつてオープンさをうたうAIを旗振り役として推進したメタは、Llama 4が期待外れだったことを受け、クローズドソースモデルへ舵を切ったと報じられている(編注:オープンソース定義の管理団体Open Source Initiativeは、Llama 2の段階でオープンソースに該当しない旨を発表していた)。また、米国のオープンモデルの中で最良とされるOpenAIのgpt-ossモデルも、最先端級モデルではなく、小型で効率的なモデルであることを狙ったものだ。

「オープンで素晴らしいものは、何でも中国から出てきています」

「最近は、オープンで素晴らしいものは、何でも中国から出てきています」と、ある関係者はForbesに語った。「Arceeは、米国拠点のファンドが、米国のオープンソースモデルを作る会社に関心を持ち、胸を躍らせてくれることを期待しています」。

Arceeの戦略が中国の規模──そしてスピード──に並べるかどうかは、依然として未知数である。ただ、オープンなAIの重心が東側へ傾く中、Arceeはそれに挑もうとする数少ない米国スタートアップの1つとして自らを位置づけている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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