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2026.02.06 08:15

常温核融合が実用化へ 都市ガス1万倍の衝撃エネルギーQHeとは

プレスリリースより

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量子水素エネルギー「QHe」をご存知だろうか。二酸化炭素を排出せず、少量の水素で駆動し、エネルギー密度は天然ガスの1万倍という夢のクリーンエネルギーだ。常温核融合の一種だが、放射線も放射性廃棄物も出ない。決して疑似科学の話ではない。

現在、QHeの開発を進めるグリーンプラネットは、東北大学との共同研究により35カ国で125件の特許を取得、実証実験を経て商用化段階に進もうとしている。このほど、肥銀ベンチャー3号ファンドを引受先とする第三者割当増資約5億円を調達し、実用化が近づいた。

グリーンプラネット公式ホームページより。
グリーンプラネット公式ホームページより。

QHeは、ニッケルをベースとしたナノ複合金属材料に吸蔵させた水素を加熱すると、水素が量子拡散して発熱反応を起こす原理を利用したクリーンエネルギーだ。長期発熱実験では、900度に加熱した材料が589日にわたり、連続的に920度以上の発熱を保った。そのエネルギー密度は都市ガスのおよそ1万倍。10グラム以下の水素で、一世帯の1カ月分の電気と熱を十分に供給できるということだ。

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核融合だけではない、日本発の次世代エネルギー技術「QHe」とは

グリーンプラネットが開発した発熱モジュールの試作機「QHe IKAROS」は、高さ120センチメートルの棒状で非常にコンパクトなもの。目標出力は24キロワット。一般的な家庭用エアコンのおよそ10台分のパワーに相当する。これを束ねて、さまざまなサイズのボイラーを作ることができる。今は、2021年からグリーンプラネットと共同開発契約を結んだ三浦工業がその開発にあたっている。

三浦工業公式ホームページより。
三浦工業公式ホームページより。

今回の肥銀キャピタルによる投資は、技術の実用性、商用化の蓋然性、中長期の市場ポテンシャルが総合的に評価された結果だとグリーンプラネットは話す。この資金で、実証と量産体制の強化、国内外パートナーとの連携拡大、複数産業領域への展開を進めるということだ。同社のロードマップによれば、2026年から産業用ボイラー向け製品の完成と量産化を実証するフェーズ4に入ることになっている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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