経営・戦略

2026.02.03 09:30

スペースXがxAIを合併、イーロン・マスクは宇宙ベースのAIデータセンター構想を始動

スペースXとxAIのイーロン・マスクCEO(Marvin Joseph/The Washington Post via Getty Images)

スペースXとxAIのイーロン・マスクCEO(Marvin Joseph/The Washington Post via Getty Images)

イーロン・マスクのスペースXが、同の人工知能スタートアップxAIを買収したことが米国時間1月2日の声明で明らかになった。これにより、マスクが所有する2社が1つの傘下に統合され、xAIはOpenAI、グーグル、メタなどの競合に対して、宇宙空間を拠点とした競争優位の構築を目指すことになる。

マスクは、今回の買収がAI(人工知能)の訓練と開発に必要なデータセンターを宇宙空間に持ち込むための「第一歩」になると述べた。さらに、地球上のAI向け電力需要について「地域社会や環境に負担を強いることなく、短期的にさえ地上のソリューションでは賄うことができない」と指摘した。

この合併により、xAIとその子会社であるソーシャルメディアプラットフォーム「X」はスペースXの傘下に入る。マスクはすでに、この航空宇宙企業スペースXとAIスタートアップのxAIの両方でCEOを務めている。

マスクは、今後2〜3年でAI向けの処理能力を構築する最も費用対効果の高い方法は宇宙空間になると見積もった。ほぼ常時利用可能な太陽光発電を活用すれば、「運用コストも保守コストもほとんどかからない」と主張した。

ロイターの報道によると、この取引ではxAI株式がスペースX株式と交換される可能性があり、一部のxAI幹部にはスペースX株ではなく現金を受け取る選択肢が与えられる可能性もあるという。

ブルームバーグによると、統合後のスペースXの推定評価額は1兆2500億ドル(約194兆円)となる。

フォーブスはマスクの純資産を7684億ドルと推計している。同は世界で最も裕福な人物であり、グーグル共同創業者のラリー・ペイジ(2811億ドル)やセルゲイ・ブリン(2593億ドル)を大きく引き離している。

今回の合併は、マスクが支配する企業が、同が率いる別の企業を吸収する最新の事例となる。

2024年3月、xAIは330億ドルの全株式取引でXを買収し、両社のデータ、AIモデル、AIハードウェア、人材を統合できるようになった。今回のスペースXとxAIの合併により、xAIは宇宙空間にデータセンターを展開する初のAI企業となる態勢を整えることになる。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、OpenAIのサム・アルトマンCEOも、ロケット企業との提携や買収を通じて同様の構想を模索してきたという。マスクが地上のデータセンターを超えた構想を描く背景には、圧倒的な需要に対して供給が限られているという事情がある。デロイトによると、米国のAIデータセンターによる電力需要は2024年から2035年の間に30倍以上に増加する可能性があり、多くの場合、電力供給能力の開発にはデータセンターの建設よりも長い時間がかかるという。

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forbes.com 原文

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