「ひ孫が誇る行動を為す」
また、アトツギアワードのソーシャルグッド部門でグランプリに選ばれた1887年創業のリングスターの取締役・唐金祐太氏の言葉も胸に刺さった。同社はプラスチック製の丈夫な工具箱やアウトドア用のカゴを展開。3年ほど前から対馬の海岸に打ち上げられる大量の海洋プラスチックゴミを活用した収納ボックスやバスケットを自社商品として生み出し、事業として販売しながら、対馬の海岸のゴミを減らす取り組みを実施している。全国で環境保全の講義も行うなど、プラスチックと共存できる社会づくりに取り組んでいる。
表彰式で彼の放った言葉は会場の参加者の胸を打った。「ひ孫が誇る行動を為す」。
100年後に、ひ孫から、「100年前に曽祖父がやってくれたあのことがあるから今があるんだ」と言ってもらえるようなことをして、後世にバトンをつないでいきたいというものだった。海洋環境問題は自分の代だけでは解決しきれない、超長期で取り組まなければならないものだとしながら、自社の強みや良さを生かして社会貢献していくために今やるべきことをやる。このロングターミズム(長期主義)な考え方や100年後の絵の描き方は、綿々とバトンをつないできたアトツギならではだなと感じた。
人の多様性が尊重されるように、企業としての多様性を尊重しそれぞれの価値をそれぞれの会社らしく発揮することが、豊かさやイノベーションにつながる土台として肝心だと思っている。
なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。


