経営・戦略

2026.02.02 11:00

ハード売上32%減、落ち込むXboxは次世代ハードをどう正当化できるのか

Phil Barker/Future Publishing via Getty Images

Phil Barker/Future Publishing via Getty Images

もはや毎度おなじみだ。マイクロソフトの四半期決算が発表されるたびに、Xboxのハードウェア売上が前年同期比で2桁減となっている。減少幅はおおむね10%から30%程度で推移してきたが、最新の決算では32%減となり、Xbox事業全体の売上も9%減少した。

こうした事態が起きている理由は、大きな謎ではない。マイクロソフトは長年にわたり、「Xbox本体を所有しなければゲームが遊べない」という前提を徐々に弱めてきた。かつてそれは、スマートテレビやタブレットなど、他のデバイスで多くのXboxタイトルを遊ぶことができるという売り文句だった。現在ではそれをさらに推し進め、ほぼすべての自社作品を、発売初日、またはしばらく経ってから、Nintendo SwitchやPlayStationといった競合プラットフォームにも提供するようになっている。

さらに価格引き上げの問題もある。マイクロソフトはこれを市場環境のせいだとし、ソニーも同様に値上げを余儀なくされてはいるが、それでもソニーはハードウェア売上が32%も落ち込む事態にはなっていないし、Xbox Series Xが800ドル(編注:日本の推定小売価格は8万7980 円)という水準まで上がるような極端な価格設定も行っていない。しかも、より高性能なPlayStation 5 Proでさえ、米国ではそれより安価である。

こうした状況を見れば、Xboxはハード事業から段階的に撤退し、Game Passやクラウド・ストリーミングを軸とした、パブリッシャー兼サブスクリプションサービスへと転換するという結論に至っても不思議ではない。しかし、少なくとも現時点で、そのような動きが進んでいるとは確認されていない。

Xbox部門を率いるサラ・ボンドは、2025年11月の時点で、ハードウェアは「Xboxが行うすべてのことの中核」であり、新しいXboxは「強力な体験を提供しつつ、自分のライブラリーを持ち運べる」ものになると語っている。多くの人はこれをNintendo Switchのようなハイブリッド型コンソールだと解釈したが、同時に「マルチプラットフォーム」的なハードウェア構想を、さらに推し進めるものでもあることは明らかだ。

問題は、既存のGame Pass加入者の大半が、依然としてXbox上でサービスを利用している点にある。販売競争ではソニーにまったく太刀打ちできておらず、前年同期比でどれほど落ち込んでいようとも、この事実は変わらない。もしハードウェアを完全に切り捨ててしまえば、PlayStationでXboxのゲームを個別に購入できる以上、数百万人規模のプレイヤーがサブスクリプションを維持する理由を失いかねない。

これは罠のようにも見える。Xboxは、Xbox One時代に始まったハードウェアへの需要低下が明白であるにもかかわらず、それを作り続けざるを得ない状況にある。マイクロソフトがソニーと肩を並べていた最後の時代は、Xbox 360までさかのぼる。その後、マイクロソフトはハードウェア販売台数の公表自体をやめたが、その数字が高くないことは明らかであり、それがさらに32%落ちるというのは、決して良い兆候ではない。

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翻訳=江津拓哉

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